当ブログ 開設の際より続いている連載
「詰将棋並べ」
本日も 勉強の準備は良いですか?
ぜひ ここで手筋などを
勉強していってください。
まずは
以下で学習の進め方をご参照下さい。
お手元に 盤と駒があれば
実際に手で動かして並べると
なお良いと思っています。
盤駒のない方は
ぴよ将棋さんを使用してみてもいいですね。
さて 今回からは
新しい書籍で学習をします。
記事の内容は
詰将棋初級者以上~中級者の手前程度向けに
書いてみます。
*大体 棋力5級前後が対象です。
今回の問題には
並べ詰みではない 非凡な手が2手含まれています。
ブログ記事に書いてある内容が全部理解できるなら
おそらく 貴方様は5級以上と思います(^^)。
塚田正夫名誉十段 の著書から
実戦・詰将棋<上>
(株)東京書店1983年9月26日発行
*だいぶ以前に古書店で見つけて購入。
ポケット版で 持ち歩きに便利でした。
なお、詰将棋作品の引用については
以下に従って書いて参ります。
著作権については
詰将棋おもちゃ箱さんの こちらも詳しいです。
なお、ブログで著作を紹介するに当たり
東京書店様に
電話・メールで問い合わせをしようと試みましたが
連絡先が見当たりませんでした。
この著作には 上・下巻があります。
上巻は 5~7手詰
下巻には 9~11手詰と
実力篇(13~17手詰)が収載されています。
これから
上巻から1問・その次の記事では下巻から1問
そのまた次の記事では 実力篇から1問
という順番で
取り組んでいきたいと思います。
今回は 初回で <上>から 第1問です。
*次回は<下>→次々回は<実力篇>
以後上巻 第2問へ、という風に進めます。
実戦詰将棋上巻
【7ページ】第1問:5手詰
【テーマ】
・焦点へ打ち込んでみる発想
→(平凡な手で詰まない時の思考)
・どの駒を先に打つか・どの駒を残すか。
・最終手の
金を打ち込むスペースを作る強手。
図:初形図
詰め手順:作意手順
13銀 同玉 24金 同歩 23金
まで5手詰
この 【詰将棋並べ 】の学習では
自ら 問題を解かなくても良いです。
上記の解答を観ながら
まず 憶えるまで並べてみましょう。
詰めて また初形図に戻してみてください。
段々 手が憶えてきます。
初形図を憶えて作成できるまで
繰り返し 取り組んでください。
図:詰み上がり図
できましたでしょうか?
詰めて また初形図に戻して
ある程度出来るようになったら
今度は 以下へ進んでください。
【学習・研究】
・初手の研究
上記の詰め手順のような
初手を知らなければ
初手の候補は
▲32金などが考えられます。
見てみましょう。
図:初手 ▲32金とすると?
この初手▲32金は
ごくごく自然な手です。
指し将棋の実戦なら
この手から 詰みを考えるのは普通です。
図:初手▲32金 △12玉
しかし初手▲32金に △12玉と逃げられると
そこから王手が続きませんね。
上図から 3手目▲22金打には △13玉
以下強引に ▲23金 と迫っても
△23同玉とされると
34の位置~上が広く詰みません。
逃げられてしまいます。
駒を動かして 確認をお願いいたします。
*【打】の表記の確認は大丈夫でしょうか?
自信のない方は 以下の記事を一読お願いします。
以上は 玉方が 最善手で
詰みを凌いだ場合です。
注意)この初手 ▲32金に
玉方が対応を誤ると 詰んでしまいます。
見てみます。
盤面を 初形図に戻してください。
図:初手▲32金 △13玉 ▲22銀
初手▲32金に
玉方 △13玉と
不用意に逃げると 詰んでしまいます。
図:初手▲32金 △13玉(失敗)
▲22銀 △12玉 ▲11銀成
上図
5手目に 11へ銀を成捨てる手が好手で
なんと詰んでしまいます。
図:初手▲32金 △13玉(失敗)▲22銀 △12玉
▲11銀成 △同玉 ▲22金打 (香車余り)まで詰み
5手目▲11銀成を △同玉ですと
上図のように ▲22金打まで 詰みです。
*▲11銀成を △13玉と上に逃げても
▲12金で詰みですね。
*初手▲32金に △13玉が
良い対応ではありませんでした。
細かいところですが注意しましょう。
*特に実戦で
初手▲22金の攻め方のミスには
しっかり △12玉として逃げ切りましょう。
結論:
初手 攻め方▲32金には
△12玉(が絶対手)で詰まない。
*△13玉は詰んでしまうので注意しましょう。
では次に進みます。
作意の詰め手順では
初手は ▲13銀でした。
では
どの駒を13へ打つか?どの駒を残すのか?
→なぜ初手は 13に 【 銀 】なのか?
ここを研究してみましょう。
13の地点には
玉 桂馬・香車と
3つの駒が利いています。
= 焦点 と呼びます。
素朴な疑問ですが
初手は 銀でなく金でも詰むのか?
しっかり調べておきましょう。
盤面を 初形図に戻してください。
図:初手 ▲13金
上図は 初手で
金を13へと打った図です。
図:初手▲13金 △同香 ▲32金
△12玉まで 詰まない
初手で金を13へ打ってしまうと
攻め方の駒台に 金と銀が残ります。
以下 3手目▲32金としたときに
△12玉と逃げられると
攻め方は 銀しか持ち駒にないので
王手が続きません。
結論:
初手▲13金には △同香で
攻め方の持ち駒 金・銀では詰まない。
*したがって 初手は ▲13銀になります。
盤面を 初形図に戻してください。
図:初手 ▲13銀
上図の 初手 ▲13銀が正解です。
これは実戦で見逃しやすい手です。
しっかり憶えて
指し将棋の終盤で使えるようにしましょう。
続けます。
図:初手▲13銀 △同玉
初手▲13銀を 桂馬や香車で取ると
▲32金~もう1回金を打つと詰みです。
よって ▲13銀には △同玉の1手です。
*詰まされないように
なるべく 頑張るのが玉方です。
図:初手▲13銀! △同玉 ▲24金!
初手▲13銀に△同玉とされ
詰まないようにも見えますが
続いての 3手目▲24金が絶妙手です。
▲13銀と▲24金は必ず憶えましょう。
この3手目▲24金に
玉方が 12や22へ逃げると
▲23金までの詰みですが
歩が 攻め方の駒台に余ります。
美しい手順は △24同歩です。
これで駒余りもありませんね。
駒が余らないように詰まされるのが
詰将棋の解答ですが
実戦では
4手目で △12玉や△22玉と
逃げる人もいるかもしれません。
詰めば良いので
この詰将棋並べでは両方とも
憶えてしまいましょう。
正解を求められた場合は
同じ手数で
駒が余らない手順を書いて提出です。
*▲23金での詰みを確認しておきます。
図:3手目▲24金 △同歩 ▲23金 まで詰み
上図
▲23金までの 5手詰でした。
3手目▲24金 △同歩として
23へ 金を打ち込むスペースができました。
短い5手詰ですが
とても勉強になる詰将棋ですね。
では最後に
いつもの 反転図からも学習しておきます。
反転図とは 初形を逆さまにした図です。
この【詰将棋並べ】では 初回からずっと
この 反転図から
自玉の詰みを確認する練習をしています。
今回も練習していきましょう。
図:反転図
詰め手順:
13銀 同玉 24金 同歩 23金
まで5手詰
いつものように この玉を 自玉と仮定して
自玉の詰みを見る練習をしましょう。
実際で
自玉に詰みがあるかを確認する練習になりますね。
初形図と同じように この反転図からも
詰め手順を観ながら
違和感がなくなるまで 詰めて また戻してを
繰り返してください。
自玉に詰みがあることがわかりましたか?
では いつものように
手番を手前として
この自玉にかかっている
詰めろを 外してみましょう。
図:△31金
上図
△31金としました。
この△31金は 馬取りになっています。
攻め方はこの手を放置すれば
馬を取られます。
玉方は 32へ金を打っても
詰めろは外れますが
上図の△31金は
【金で馬をとるぞ!】という 強い手です。
*金で馬へ「当てて受けた」と言います,
もうひとつ 詰めろを外す手を挙げてみます。
盤面を 反転図初形に戻してください。
図: △12玉
△12玉と 逃げました。
この連載で一番 紹介頻度の多い
【玉の早逃げ】です。
12玉と 一路 寄っただけで
詰まなくなりました。
今日の勉強は終わりです。
手順は 憶えるまで
繰り返してみて下さい。
お強い方は頭の中で動かして、全部の変化を憶えてください。
自玉の詰みの確認も お願いします。
そうして「詰めろ」を 外す手も
いろいろあるので
練習してみましょう。
例:
・△31金
*馬へ当てて詰めろを外しました。
(もちろん△32金でも詰みません)
・△12玉(玉の早逃げ)
上記は例です。 憶えておいてくださいね。
まだまだ 逃れる手があります。
お強い方はたくさん
詰めろを 外す手を探してみて下さい。
また一緒に勉強しましょう。
用語に関連する過去記事:
焦点打→待宵第29番
局面作成
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より
ありがとうございます。