今日の「詰将棋並べ」

勉強の準備はできましたか。

初めてのかたは 以下の過去記事で

学習の進め方をご確認下さい。 

 


 

【ぴよ将棋さん】を使用した学習方法も

併せて ご参照下さい。

 

 


ご自宅の盤駒で じっくりと

 

職場のご休憩の時間なら

マグネット盤などを使って

 

並べてくださると嬉しいです。

 

 

今回も

 

江戸時代の作品から勉強していきます。


 

天野宗歩のお弟子さん「渡瀬荘次郎」

 

Wikipediaさんより

 


 

 

渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から

 

 

「江戸慶応」の時代の詰将棋です。

  

 

今回は 【待宵 第33番】です。

 



 

 

テーマ:
 

・一間龍からの展開

 

・攻め方の「85歩大事な支えの歩

 

・粘れる合駒を研究する

 

・78に歩が配置されている意味

 

・詰め上がりで駒が余る(不完全作)

 

 

 

図:初形図

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詰め手順:

 

61飛成 82玉 62龍 93玉 82龍 

同玉 83桂成 同玉 
61角成 72銀(合)

 

84金 92玉 83銀 同銀 同金 

まで15手詰

 

(駒余り)


 

 

図:詰上がり図

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上記の詰め手順を観ながら

繰り返し 並べてください。

 

 

解答を観ないで「解く醍醐味は

詰将棋ならではですが

 

この 【詰将棋並べ】は

棋譜を並べるように

詰め手順を 初めから観て並べて

 

手筋を学びながら 憶えてしまうという趣旨です。


学習の主眼である

 

並べて憶える実践していきましょう。

 

自力で考えて解く・速く解くなどの

 

腕試しは

お手持ちの詰将棋の書籍でお楽しみください(^^)。

詰めて 初形に戻して また詰めて

繰り返し 覚えるまで駒を動かして下さい。 

 

出来ましたら 以下へ進んでくださいね。




 

 

【学習・研究】

 

・初手の研究

 

初手 ▲61飛成!

 

この初手が直ぐ浮かんだ方はお強いです。

 

  

図:初手 ▲61飛成


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この初手への 玉方の対応ですが

 

・△82玉と逃げる手

(=冒頭
の詰め手順で示した手です)

 

・△61同金と 龍を取る手

これらが浮かびます。
 

 

ではまず 

初手の▲61飛成を △同金なら?

 
この手を研究しておきましょう。

 

 

図:初手▲61飛成 △同金

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上図が △同金までの局面です。

結論から言うと 

この手は早く詰んでしまいます。

以下で手順をみてみましょう。 
 

 

初手▲61飛成 △同金 には

 

▲63銀 △82玉 ▲83桂成 △同玉  

▲61角成 △93玉 ▲
84金 △82玉 

▲83金  まで 11手詰

 


で 冒頭の手順より早く詰みます。

実際に 並べてご確認下さい。 

 

この 2手目△同金以下の手順も

ぜひ
憶えておきましょう。

 

初形で85にいる歩が

攻め方の大事な拠点ですね。

 

5手目▲83桂成と桂馬を捨てて 

85の歩
の拠点を活かして

 

金で上から抑えて 詰みです。

 


図:2手目△61同金とした時の詰上がり図

 

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上図で詰みです。

 

というわけで

初手▲61飛成には

 

△同金と 取れないことが解りました。

 


次に 作意の

2手目△82玉と逃げる手をみていきます。


盤面を 初形に戻してください。
 

 

図:初手▲61飛成 △82玉

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上図

龍を取ると早く詰んでしまうとわかりましたので

 

今度は △82玉と逃げました。


 

 

図:初手▲61飛成 △82玉 ▲62龍

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逃げる玉へは

 

▲62龍と 金を取って迫ります。

一間龍という

詰みの
基本の形の1つですね。
 

*参考記事:待宵第22番(一間龍の記述があります)

 



続けます。

 

 

図:3手目▲62龍 △72金合

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▲62龍の【一間龍】への 玉方の応対は

合駒をするか 逃げるかですが

まずは合駒からみていきましょう。

上図は △72金合 とした図です。

合駒は 

73の地点に玉方の歩が配置されていますから

歩以外の駒になります。(2歩禁の反則)

 

合駒をしつつ 金が龍に当たるので

ここでは一例で「金合」としました。

 

図:4手目△72金合から

 

▲83桂成 △同玉 ▲84金 △92玉 ▲83銀

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72への合駒から5手進んだ上図です

 

これも早詰みです。

  

 

5手目の▲83桂成が良い手でした。

 

この▲83桂成は 合駒で取れないので

 

△同玉の1手ですが

 

後は 拠点の85歩の利きで

 

上から抑えて詰みになります。

 

*従って 3手目▲62龍には

玉を逃げることになります。 

 

盤面を 初形に戻してください。
 

 

図:初手▲61飛成 △82玉

▲62龍 
△93玉

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72へ合駒しないで

 

4手目 △93玉と逃げだしました。

 

続けます。

 

図:4手目△93玉 ▲83桂成

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盤面の縦を【筋】、横は【段】と呼びますが

二段目に 龍の横利きが通っています。

冒頭の作意手順では 5手目▲82龍でしたが 

 

上図は その手を入れず

85の拠点の歩を頼りに


83へ桂馬を成っていきました。
 

実はこの▲83桂成は 詰みません。

 

なぜなのか 以下で観てみます。

 

 

図:5手目▲83桂成 △94玉 

▲84成桂 ▲95玉

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上図の手順で 逃げられてしまいました。

 

上が広くて 玉が捕まりません。

 

ここまで逃がしてしまうと

このあとに王手をしても

 

玉方の香と龍が

守備に利いていて 詰みません。

 

どこが良くなかったのでしょうか?

*作意手順通りの

4手目まで戻って 観てみましょう。


再掲図:4手目△93玉

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4手目△93玉の局面です。

以下の場合の 玉の位置にご注目下さい。


・5手目▲83桂成→△94玉と逃げられて詰まない

・5手目▲82龍(作意手順)→△82同玉として詰みに至る

というわけで 詰みに至るには

一旦 玉を下段に落とす手が必要だったのですね。

 


*62にいる龍で追いかけるのが

絶妙手になります。


▲82龍は 必要な一手です。

では ここまでをもう一度

初手から並べてみましょう。


盤面を 初形に戻してください。
 

 

図:初手から 

▲61飛成 △82玉 ▲62龍 △93玉

 

▲82龍

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5手目 ▲82龍までの上図です。

 

冒頭の詰め手順では

この▲82龍には △同玉でしたが

 

 

ではこの手に 

先ほどの ▲83桂成に対応したように

 

94玉と上に逃げだすと?

 

ここもしっかり観ておきます。


 

 

図:5手目▲82龍 △94玉

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△94玉と逃げました。

結論を言うと これも早詰になります。

以下で 手順を確認してください。 

  

 

図:6手目△94玉 ▲83龍 △95玉 ▲84龍 

△8
6玉 ▲77銀 △97玉 ▲88金


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5手目▲82龍に △94玉と逃げた場合


攻め方は上記の手順で

龍で どんどん上に追っていきます。

上記の手順のなかで

 

78に配置されている歩が

詰みに大きな意味を持っていますね。 

もし初形図で 

攻め方の78の歩が配置されていないと 

上記の手順が 玉方の一番頑張る手順となり

詰まない問題=不詰 となってしまいます。 

 

*これが78歩の配置の意味でした。 

 

▲77銀と打てて 13手の詰みになります。

 

 

冒頭の作意手順の15手詰よりも早く詰みです。

 

玉方が 一番頑張れる手順を求められるのが

詰将棋です。

 

というわけで

▲82龍を △同玉が

玉方が一番頑張れる手です。

 
*最初は少し難しいかも知れませんが

ゆっくり並べて 理解を深めて下さい(^^)。


では もう一度 初手から観ていきます。 


盤面を 初形に戻してください。 

 
 

図:初手から

 

▲61飛成 △82玉 ▲62龍 △93玉 

▲82龍 △同玉

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上図まで 作意手順通りの進行です。

 

初手の▲61飛成から ▲82龍 △同玉まで

 

絶妙手の連続です。

続けます。 
 

 

図:6手目△82同玉 ▲83桂成


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82へと玉を呼び込んでから 

▲83桂成とするのが良い手になります。

 

上述のことを思い出しながら ご確認をお願いします。

 
この桂成は 玉を逃げると

72金で詰みますから △同玉の一手です。 

 

*今度は 85の歩が良く利きそうですね。

 
続けます。

 

図:7手目▲83桂成 △同玉 ▲61角成

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攻め方は

61へ角を成って 玉方の応手を聞きます。

 

 

【合駒の選択】



ここで合駒の選択です。

この【詰将棋並べ】の連載では 

 

合駒は全部調べてみる という方法を

大切に 学習をしています。

ぜひ 調べてみる習慣をつけましょう。

*参考記事:合駒について



 

9手目▲61角成には

玉方は72の地点へ合駒します。

 


香・桂・銀・金・角・飛

 

上記の6種類の駒で 合駒できます。

(歩は二歩になるので ここでは選択できません。)


 

価値の低いものから

以下で 全部を調べていきましょう。

 

 

 

図:10手目△72香合

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まずは 歩以外で一番 駒の価値が低い

香合からです。 

 

 

図:9手目▲61角成 △72香合 

▲84金 △92玉 ▲83銀

 

 まで詰み

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△72香合は上記の手順で詰みです。

 

13手で早く詰みます。

 
次に 桂合を観てみます。
 
 

 

図:10手目△72桂合

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桂合としました。

 

 

図:10手目△72桂合 

▲84金 △92玉 ▲83銀

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これも香合同様に進めて 早く詰みます。

次は 銀合が順番ですが 

 

この銀合が

冒頭に示した詰め手順の作意手でしたので

 

金合を先に調べます。


図:10手目 72金合 

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この金合も ▲84金から迫ります。

 

 

図:10手目△72金合 

▲84金 △92玉 ▲83銀 △同金 ▲同金

 

 まで詰み

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▲84金から

自然に上から抑えてこれも詰みです。

 

15手詰


次は 角合です。 

 

 

図:△72角合

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角合も 金合と同様に迫ります。


図:10手目△72角合 

▲84金 △92玉 ▲83銀 △同角 ▲同金

 
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上図 

 

同様に攻めて 詰みです。

 

15手詰 駒余りです。

 

詰上がりの時に駒台に乗る駒が

合駒の選択によって変わりますね。
 

*これが実戦なら 

自身の勝敗に関わる 大切な考慮のポイントですね。


次は飛合をみてみます。

 
 

図:10手目△72飛合

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飛合です。

 

この飛合は 83の地点に駒の利きがないので

 

香合・桂合と同じです。

 
観てみます。 

 

 

図:10手目△72飛合 

▲84金 △92玉 ▲83銀まで

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香合と桂合同様に 13手で詰みです。

 

 

最後に 作意の△72銀合です。

 


図:10手目
△72銀合

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冒頭に示した合駒ですね。

 
作意手順通りに 詰みとなります。 

 

 

図:10手目△72銀合 

▲84金 △92玉 ▲83銀 △同銀 ▲同金まで

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上図まで

 

これも 15手詰 駒余りです。

 
 

【合駒のまとめ】

 

・香・桂・飛 の合駒は 13手で早く詰む

 

・角・金・銀 の合駒は 15手詰 駒余り

 


従って 

15手で一番粘れる合駒は

 

角・金・銀となります。

上記の3つ どの合駒でも

解答としては正解です。

特定の駒に限定されない合駒なので 

非限定合 です。

 


*当ブログでは 非限定合の場合


一番価値の安い駒 を記載しています。

今回の場合は 

 

銀を合駒として記載いたしました。

 

(角合・金合でも もちろん正解です。)

 

駒余り 非限定合の

不完全作の問題でしたが

今回も たくさんの学びがありました。


 

 

 

図:反転図

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いつもの 反転図です。

この反転図からの

詰みを観る・練習する習慣が大切だということは

詰将棋並べの 

連載初回より 毎回お伝えしています。

 

いつもご覧下さる皆様には

お馴染みになりましたでしょうか。

初めての方は 一度お試しください。 

 

今回も練習していきましょう。

 

上図から詰上がりまで

反転図からも 手順をみながら

しっかり違和感のなくなるまで

 

練習しましょう。

では 以下で並べます。 

 

詰め手順:

 

61飛成 82玉 62龍 93玉 82龍 

同玉 83桂成 同玉 
61角成 72銀(合)

 

84金 92玉 83銀 同銀 同金 

まで15手詰

 

(駒余り)

 

 

 

図:反転図からの詰み上がり図

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反転図からも 詰めて また初形に戻して  

 

繰り返し 手順を観て

並べて憶えてください。
  

図面を作成できるようになることも

大事な練習方法です。

 

きっと 実戦に役立ちます。

最初は難しくても

駒を動かすうちに だんだん

手が憶えてきます。 

 

丸ごと なんでも憶えていきましょう。

 


では いつものように

手番を手前として

この手前の玉を自玉として考えて

 

この玉から 詰めろを外してみます。

 

これは 受けのいい勉強になります。


盤面を 反転図初形に戻してください。

 
 

図:△82玉

A673FCA0-8E5C-4E28-8F58-0B139799DED1
 

△82玉としました。 

 

【玉の早逃げ】です。

一路 寄っただけですが

これで詰みません。
 


この【玉の早逃げ】は

よくでてくる手筋なので 憶えておきましょう。

 

持ち駒を使わないで

詰めろが外れるので
良いですね。

 

ほかに 詰めろを外す手を挙げてみます。 

 
盤面を 反転図初形に戻してください。
 

図:△85龍

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△85龍としました。

 

攻め方の拠点だった85の歩を 

龍で 取り払ってしまいました。

 

ここまで調べてきて

大切だとわかった拠点がなくなったため

手前の玉は詰まなくなりました。

 

ではもう1つ 詰めろを外す手を観てみます。


盤面を 反転図初形に戻してください。 

 
 

図:△52歩

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△52歩としました。

16からの 角の利きが遮断されました。

手順中の ▲61角成ができなくなりました。

 

これで詰みません。

 

この1歩を打っただけで詰まなくなります。

 


遠くから角の利きが絶大だったので

止めてしまおうという手でした。
 

 


 

 

今日の勉強は終わりです。

 

手順は 憶えるまで 

繰り返してみて下さい。

 

お強い方は頭の中で動かして全部の変化を憶えてください。

 

自玉の詰みの確認も お願いします。

 

そうして「詰めろ」を 外す手も

いろいろあるので

 

練習してみましょう。

 

 

例:

 

・△82玉 (玉の早逃げ)

 

・△85龍 (拠点の歩を取り払う

 

・△52歩 (攻め駒の角の利きを止めてしまう)

 

 

上記は例です 憶えておいてください

 

まだまだ 逃れる手がたくさんあります。 

 

 

お強い方はたくさん

詰めろを 外す手を
全部探してみて下さい。

 

また一緒に勉強しましょう。

*用語に関連する過去記事:


・不完全作→待宵第34番



・作意手順→待宵後集 第5番



・限定合・非限定合→待宵第45番





局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

ありがとうございます。