今日の「詰将棋並べ」
勉強の準備は良いですか。
初めての方はまず 以下の過去記事で
学習の進め方をご確認下さい。
【ぴよ将棋さん】を使用した学習方法も併せてご参照ください。
ご自宅の盤駒で
職場のご休憩の時間なら マグネット盤などで
並べてくださると嬉しいです。
今回は
「大道詰将棋」 です
「銀問題」と呼ばれるものです。
当ブログで 銀問題を取り上げるのは
これで2回目になります。
当ブログでの 大道棋の記事は
こちらをご覧ください。
大道棋については Tetsuさんのサイト
【詰将棋おもちゃ箱】さん内
ドキドキストリートにて
大変詳しく紹介されています。
【テーマ】
・打ち歩詰禁の回避
・合駒の選択
図:初形
詰め手順:
82銀 92玉 81銀不成 93玉 92銀成
同角 73飛引不成 83角 94歩 92玉
72飛成 82香 同龍 同玉 71飛成
92玉 93香
まで 17手
解答を観ながら並べて
手順ごと 憶えてください。
詰めて また初形に戻して
初形図も作成できるようになりましょう。
図:詰上がり図
【並べて憶える】のはいつも通りです。
ある程度 手順を憶えてしまったら
以下へ進んで
一緒に研究してみましょう。
【学習・研究】
大道詰将棋は「とにかく詰めば良い」のですが
様々な 攻防があります。
作業は 地味ですが
全ての攻防を憶える事で
必ず 実力養成となります。
・初手の研究
図:初手 ▲84銀
冒頭の手順は 初手▲82銀でしたが
上から ▲84銀とするのはどうでしょうか。
観ておきましょう。
図:初手▲84銀 △94玉
初手▲84銀には
上に玉が逃げてくるのが
玉方この1手で 普通の手です。
図:初手▲84銀 △94玉 ▲83銀不成 △95玉
▲83銀不成と
角を取りながら王手しましたが
△95玉とされました。
上図
上への逃げ道が広いですね。
続けます。
図:▲77角
85玉と来られないように
なんとか追撃してみますが
▲77角には
図:▲77角 △同香
75に 玉方の香車が配置されていました。
当然 ▲77角は
△同香とされてしまいます。
ここは同香ではなく
▲77角に △96玉と逃げても詰みません。
75にいる香の力が 強いですね。
【結論】
初手:
上から打つ ▲84銀は詰まない
(確認しておきましょう)
図:初手 ▲82銀
ということで
初手は「▲82銀」が有力で
最善手になります。
では 初手▲82銀以下をみていきます。
図:初手▲82銀 △92玉
上図
なんだか簡単に詰みそうですよね。
しかしよく観ると
次の王手が 少し難しそうです。
△71銀不成などの【開き王手】は
「▲72角」で
根元の 飛車を取られてしまいます。
玉方の角の守りが堅いですね。
図:3手目 ▲91銀成
△92玉には
桂馬を取りながらの 開き王手!
飛車でも王手なので
両王手といいます。
▲91銀成としてみました。
続けて 観てみます。
図:3手目▲91銀成 △同玉
91の成銀 と 72からの飛車
2カ所から王手がかけられましたので
その両方へ対応した △91同玉としました。
続けます。
図:5手目▲71飛成 △81香(合)
▲71飛成として
一間龍の形にはなりましたが
攻め方の持ち駒は
先程手に入れた「桂馬のみ」です。
上図からは 次に良い王手がかかりません。
3手目 ▲91銀成からは詰みませんでした。
この詰将棋は
詰まないのかな・・と思う瞬間でしょうか。
盤面を 初形に戻してください。
図:初手▲82銀 △92玉 ▲81銀不成
3手目に戻りました。
この「▲81銀不成」が良い手です。
*これは
知らないと瞬時には 指せない手です。
図:3手目▲81銀不成 △同玉 ▲71と
この▲81銀不成に △同玉は
▲71と で詰みになります。
上図
したがって
図:3手目▲81銀不成 △93玉
玉方は 93玉と逃げるしかありません。
図:5手目 ▲92銀成!
82へ 初手で銀を打って
次に ▲81銀不成
そうしてこの▲92銀成
ここまで 銀が大活躍ですね。
図:6手目△92同角
▲92銀成には △同角よりありません。
初手に打った銀の動きで 83にいた角が
ここにきて 92へと
移動させられてしまいました。
= *83に居た 角を移動させるのに成功。
続けます。
図:7手目 ▲73飛引成
攻め方は喜んで
寄せの手筋【一間龍】の形にすべく
72にいた方の飛車を 73へと成り
王手をしました。
*飛車の符号は 大丈夫でしょうか?
飛車の動きと 成の符号です。
忘れた方はぜひ復習をお願いします。
図:7手目▲73飛引成 △83香(合)
▲73飛引成 とされると 玉には
逃げ場所がありません。
従って 合駒をします。
上図では 香車で合駒をしました。
なんと 83へ合駒されると
攻め方は 持ち駒が 歩しかありません。
次の
▲94歩が 「打ち歩詰禁」になっています。
*歩を打っての 詰みは 反則でしたね。
では 上図
どうしたら この打ち歩詰禁の反則を
回避できるでしょうか?
盤面を 6手目△92同角の局面に 戻してください。
図:7手目▲73飛引不成 83香(合)
先ほどは 7手目で 龍ができましたが
なんと
73へ 飛車を成らないという
妙手がありました。
これは
打ち歩禁の回避によくでてくる
*不成(ならず)の手筋です。
憶えておきましょう。
あえて不成で 飛車のままで王手したことで
82の地点に 玉の逃げ道ができました。
これで 83へ合駒をしても
図:▲94歩 △82玉 ▲72飛成
今度は ▲94歩が
打ち歩詰禁になっていません。
82玉と逃げることができるため
72飛成! で詰みになっています。
▲73飛引不成→▲72飛成 です。
これでこの問題は解けた!と
いきますでしょうか。
(●´ω`●)これは 大道詰将棋の問題です。
よーーく 確認しなければなりません。
7手目に戻りましょう。
▲73飛引不成のあとの 合駒です。
盤面へ駒を打つ以外にも
盤上の角を 83へと移動させる
「移動合」があります。
ここも しっかり調べます。
図:7手目▲73飛引不成 △83角!
92にいた角を移動させて 合駒としました。
*移動合
次々に繰り出される妙手・好手です。
続けます。
図:8手目△83角 ▲94歩 △92玉
なんと 角が移動したことで
玉の逃げ道が 92にもできてしまいました。
続けます。
図:11手目 ▲72飛成
攻め方は 72へ飛車を成って
攻め続けます。
図:11手目▲72飛成 △同角 ▲同飛成
△82香(合) △83角
11手目▲72飛成を △同角と取ると
上の手順で 簡単に詰みです。
【ここまでのまとめ】
①:初手▲84銀は 玉を94へ上がられて詰まない。
②:初手▲82銀→▲81銀不成→▲92銀成として
83にいる玉方の角を 92へ移動させる。
③:6手目△92同角に 7手目▲73飛引成は
83へ合駒されると ▲94歩が打ち歩詰禁となる。
→ 攻め方は▲73飛引不成とするのが最善。
④:▲73飛引不成に 合駒を打つと
▲94歩以下 早く詰む。
⑤:▲73飛引不成には
△83角とする 移動合が絶妙で最善である。
⑥:11手目▲72飛成として一間龍の形になるが
△72同角とすぐに取ると ▲同飛成以下 早く詰む。
丁寧に研究して 色々わかりました。
以上を踏まえて 次へ 進みましょう。
上記の⑥まで観てきましたが
10手目△92玉に ▲72飛成以下を
ここから調べていきます。
盤面を 11手目▲72飛成の局面に戻してください。
図:10手目△92玉 ▲72飛成
▲72飛成です。
一間龍の形になりました。
これを △72同角は
前述の通り ▲同飛で早く詰みます。
ということは
12手目で 82の地点へ
何か【合駒をする】のが
玉方が 一番頑張ることができる手順になります。
*「合駒の選択」
82へ 何を合駒しましょうか?
わからない時は
今まで 過去記事でもやってきた
「全部調べる」で 学習しましょう。
ここでは 合駒を調べる順番は
駒の価値の低いものからにします。
2歩にならない 下記
香・桂・銀・金・角・飛です。
では 香合から観ていきます。
図:11手目▲72飛成 △82香合
一番 価値の低い駒は 歩ですが
8筋にはすでに 玉方の歩が配置されています。
なので歩合は「2歩の反則」になるので
ここでは 82歩合とはできませんね。
上図は 香合としました。
図:11手目▲72飛成 △82香合 ▲同龍
△同玉 ▲71飛成 △92玉 ▲93香
(作意手順)
香合は 上記の手順で詰みました
冒頭の作意手順ですね。
他の合駒も 順番に観てみます。
次は 桂合です。
11手目▲72飛成の局面まで 戻してください。
図:11手目▲72飛成 △82桂合
桂合を観てみましょう。
図:12手目△82桂合 ▲同龍 △同玉
▲71飛成 △92玉 ▲84桂
桂合も 上記手順で詰みになります。
最終手で ▲84桂と 角頭に打てますね。
ピッタリ詰みです。
次は 銀合をみます。
11手目▲72飛成の局面に 戻してください。
図:12手目 △82銀合 ▲同龍 △同玉
▲71飛成 △92玉 ▲93銀
同じ考えで 銀合も詰みです。
最終手の銀は 93から打っても
81銀でも 両方詰みです。
次は角合です。
▲72飛成の局面に 戻してください。
*慣れてきた方は 初形図から11手目まで
並べて 局面を作ってみてくださいね。
意外と 手が覚えているはずです(^^)
図:12手目△82角合 ▲同龍 △同玉
▲71飛成 △92玉 ▲81角
さて
この角合も 最後に 81から角を打てば
詰みになりますね。
*同じ思考で △82飛合も
▲82同龍 △同玉 ▲71飛成
△92玉 ▲93飛(ないし▲82飛)で
詰みになります。
盤駒でご確認をお願いします。
全ての合駒でそれぞれ詰みました。
上記より
12手目は 非限定の合駒です。
【玉方の変化:変化同手数駒余らず=変同】
初手から
▲82銀 △92玉 ▲81銀不成 △93玉
▲92銀成 △同角 ▲73飛引不成 △83角
▲94歩に
10手目△92玉ではなく △82玉とする手があります。
この手にも詰みがあります。
手順ごと 憶えてしまいましょう。
= ここも観ておきます。
図:10手目△82玉
△82玉とした局面図です。
ここから 詰みがあります。
*飛車の符号に気をつけて 並べてくださいね。
よく見て お願いします。
図:10手目△82玉 ▲71飛成 △92玉
▲72飛成 △同角 ▲同龍 △82香合 ▲83角
上記の手順で詰みになります。
作意手順と同手数の 17手詰です。
途中
・▲71飛成 △92玉 ▲72飛成に
△82への合駒は
▲81龍寄(81龍上、 *82龍引、*82龍寄でも可)
で詰みです。(*は香余り)
・上記では △82香合としていますが
合駒は 歩以外なら可です。
この合駒は 非限定になります。
・最終手は ▲83角ないし ▲81角
どちらでも詰みです。
図:反転図
今回は大道詰将棋ですが
いつもの反転図からも 学習しておきましょう。
上記の図で 玉を自玉と考えて
詰みがあることを確認する練習ですね。
この 反転図からも
違和感のなくなるまで 繰り返し
駒を動かしての練習をお願いします。
ご自身の 終盤の力になります。
詰め手順:
82銀 92玉 81銀不成 93玉 92銀成
同角 73飛引不成 83角 94歩 92玉
72飛成 82香 同龍 同玉 71飛成
92玉 93香 まで 17手
今日の勉強は終わりです。
手順は 憶えるまで 繰り返してみて下さい。
お強い方は頭の中で動かして、全部の変化を憶えてください。
反転図での詰みの確認は大事です。
違和感のなくなるまで
何度でも 繰り返して練習お願いします。
また一緒に勉強しましょう。
*用語に関連する過去記事
一間龍→待宵第22番
・非限定、変化同手数駒余らず(変同)→待宵第24番
・移動合→待宵第41番
・打ち歩詰禁→待宵第31番
局面作成
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より
ありがとうございます。