将棋の勉強・羅針盤

 

前回に続き

 

【6枚落ち】

 

の対局から 「その2」です。

 


前回記事:6枚落ち実戦その(1)


 

【前回までの指し手】

△4二玉    ▲7六歩    △7二金    6六角    △8二銀   

▲9六歩 △7四歩    ▲9五歩    △6四歩    ▲5六歩


△7三金    ▲9四歩 
△同 歩    ▲同 香    △8四金 


▲9八飛    △9五歩    ▲8四角 
△同 歩    ▲9五飛

    
 →20手まで 
指了図(1)


 

図1: 指了図(1)

 
rsn12-4

 

前回記事その(1)までの手順で 

上図となりました。

今回の記事では

上記の 序盤の進行についてを

上手の考えや ポイントを含めて

丁寧に書いてみます。

 

 

この 20手まで 

駒落ちの書籍の「定跡手順」で進行しました。

 

ここまでの序盤で

上手が
なにか 策を講じるとすれば

 

もしお相手と 初手合いではなく

2局目以降になれば

 

もう少し工夫をしたり・・しますが



初めて指すお相手だと 

学習の進行度や 戦術理解度などを 

まずは拝見したいところです。



普段 お教室通いです、とか

駒落ち棋書で毎日学習しています!

などと
言われなければ


この後も あまり定跡手順からは変化しないで

 

自分は進めています。

 

 

学習している方に

的確に 龍と2枚の成駒で攻められると

 

どうやっても 上手は難しいです。

 
しかし 

 

人気の6枚落ちですから

 

そうは言っても なんとか

 

せっかく指すのですから

少しでも下手の方の勉強になって欲しい。

そう思って指しています。 

6枚落ちで工夫といっても

どれもこれも厳しいというのが 本音ですが

・下手のミスを待つ!・・?

 

・もしくは 知らない変化へ引きずり込む?


・混乱する手を指して 戸惑ってもらう?



上手は 少しでも良いから 工夫……します。

 

ですが事実として 上手がかんばしくないのは 

致し方ありません。



 

それでは以下に少し

序盤の 上手の事を書きます。

 

もしご存じなければ 

書籍をお持ちの方は 復習しておきましょう。

 

=しておいてくださいね。

 

どれもこれもへも 常に勝てるようになれば


6枚落ち は 卒業です。

 

*当記事は 主に 

変化(この記事では ある指し手から 

本譜とは別手順で進んだ場合のこととします) 

についての学習になります。

上記の 指し手に 色がついているところが

ポイントとなりますので 

記事中 どこのことかわからなくなったら

色がついているところに局面を戻して 

盤駒で並べながら 

ゆっくり 学習を進めてください。






 

:4手目▲66角 △84歩

 

115C1488-7D96-424F-8210-336283C63BD8

 

▲66角に △84歩と突きました。

 

本譜では △82銀でしたね。

 

 

 

:△84歩 ▲同角  △83金

 

5A7114E6-EE07-4B92-987C-FAD12BFB96BE

 

この△84歩は 下手が▲同角と取ってこなければ 

金を上がって

 

9筋方面を「受けてしまおう」という手です。

*下手は端攻めができずに 困りますね。 

 
続けます。 

 

:▲84同角 △83金 ▲66角 △82銀

 
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上手は こんな序盤早々で

貴重な1歩を渡してでも 端を「受けました」


* 上記は大山先生の書籍の手順です。

 

次の手は下手の知識ですが

 

 

:▲86歩

 

01AE75CB-2043-41FC-A540-49586BED713B

 

下手は 書籍にあるように 

▲86歩として優勢になります。

9筋を攻める方針から 8筋へと

狙いを移したのです。 

 

後は 飛車を ▲88飛として

 

本譜の順より楽に勝てますね。

 

この一手を知らないで 

▲96歩~▲95歩としてくる人が

 

結構いますが  

上手としては それは有難いです。


この順は 上手が勝つ事が多いですね。


*定跡書に記載がある通りです。

 

 

*次も序盤のポイントですが

 

お友達はじょうずに乗り切りました。

 

盤面を △初手〜 △64歩まで進めてください。

 

 

△64歩 ▲56歩

 

869122D2-64FA-4851-918D-EAB00CDB0BD5

△64歩と 上手が 

歩をさりげなく突いたとき

 

角の利きを9筋に保ちつつ  逃げ場所を作る
 

▲56歩が 勉強している人の手です。

 

この △64歩に ▲56歩は憶えてください。

では 上図から2手戻して 

 

もし上手が △64歩としないで

 
 
△73金としてきたら どうしますか?

 
 

:△73金

 

FF9300BD-E695-488D-8C9A-D7B5EA419511

 
 

上図:これも書籍に記載があります。

 

観てみます。
 

:△73金 ▲94歩 △同歩 ▲同香 △84金

 

8B4A48FA-24C4-4BD5-B452-02B086A810AD

上図

上手は△64歩を省略して 73に金を上がるという

図々しい手順があります。

 

*△64歩を突いていないので 上手は

このあと銀を △73~△64へ進められます。

 

しかし 下手には

ここで素晴らしい手があるのです。

必須事項です。

 

*自分は今回 △64歩を突きました。

 

=お友達はお教室で この手を絶対習っていると

確信していました(`・ω・´)!

 

 

:▲55角!

 

AE95C337-F3D9-4EE5-820F-38A93395E954

そうなんです。 

この▲55角で 上手は困っています。

 

この▲55角を下手が知らないのなら 

△64歩を省略するのですが

 

昨今では この手順・図は かなり有名になり


皆さんご存じと思います。


*このお友達は知っていると思いました。


55角以降は 書籍で 復習をお願いします。

 

 

ここまで お友達に完璧に指されてしまいました。

 

おそらく △84歩も▲同角から 最後に

 

▲86歩~▲88飛

 

=これもお勉強されていると思いました。

 




【上手の初手について】
 

 

次に自分が6枚落ち上手を持つ際

たま~~に 指す初手があります。

これについて書いてみたいと思います。 

 


▲84角 △同歩 ▲95飛の定跡を使う人にのみ

 

時々 やってみています。

 

盤面を 初形に戻してください。
 

 

:初手 △22銀


19214F74-0006-4F8F-B369-405630B51E8D

 

「△22銀」です。


大山康晴十五世名人著 【定本 大山の駒落ち】で


 一言 触れられている手です。

 

なんだこりゃ?

下手の人に 

 

「この上手 定跡知らないんじゃないか?」とか

 

「弱そうな上手(笑)」とか

思ってもらえると有難い瞬間です。

 

ちらっとお相手の反応・顔をみます(笑)

 

この初手以下は全部

同じ定跡手順で進めていき


下記の局面まで進みます。

*上手の駒の位置が 

22銀か 42玉かの違いです。 

 

:△64歩 ▲56歩

 

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下手 は△64歩に ▲56歩と

堂々とした手つきで指してきます。

 

100%こうなります。

そこで 

 

:△65歩!

 

BAE70F5C-58E2-4B77-A35A-341BD91E25E1

絶対指してこないはず。。

 そう思っている下手へ


この△65歩を

 

ピシッと駒音高く指すのがコツです・・笑
 

 

:△65歩 ▲57角


D5930426-E070-474C-84F5-D3967D390908

上図

 

下手はもちろん ▲57角です。

 

しかし! 

初手に △22銀と指したので

 

次に

▲13角成と出来ない仕組みになっています。


*ただし上手は

42玉でなく 居玉(初形配置から動いていない玉)です。

この定跡での 上手のコツの一つに

上手く三段目まで玉を上がることが挙げられます。

ですから 居玉のままというのは 欠点になります。

 


▲57角のあとは △73金と上手は指します。

続けます。
 

 

:▲57角 △73金 ▲94歩 △同歩 ▲同香

 

 △84金 ▲98飛 △95歩

 

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同じですね

 

何が違うのでしょうか?

 

:▲84角

 

rsn13-14

△95歩のあと

 

下手は 勉強通りに ▲84角とします。

 

 

違いは 65歩と 伸びていることです。

 

「64の地点にあった 上手の歩」ですが

 

65へ 伸びています。

 

これは上手が「1手得をしています」
 

 

:▲84角 △同歩 ▲95飛 △66歩

 

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*この △66歩が狙いです。

 

上図のタイミングでなくても良いですが

上手の攻めが 先ほどより速いですね。 

 

この66歩に困ってくれる方もいます。


続けます。

 

:△66歩 ▲68金

 

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上図

 

下手は手厚く ▲68金と受けました。

 

ここでもし受けずに

67へ「と金」を作らせてくれるなら


おそらく 上手の勝ちになります。

=6枚落ち卒業「前」の方なら…。  

 

また △67歩成を許し

上手の「と金」作り を放置して 


強引に 「▲92香成」としてくる

下手の人もいますが

 

そこは勝敗抜きで


終局後に反省会をします (^^)


今後の上達を含めて志向ですね。


上手に「と金」を作らせてはいけません。



 

:△66歩 ▲68金 △67歩成 

 ▲同金 △66歩

 

rsn13-1

上手は しつこく 6筋をあれこれします。

 
もう一度 金の頭に歩をたたきました。 

この歩は 取りますか?
 
*上手の狙いはなんでしょう?
 

 

:△66歩 ▲同金 △57角

 

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この△66歩を

取ってしまう方もおられます。

 
しかし 取ると次の
 

△57角が痛打になりますね。

上図は 【上手の夢の図】です。

 

66の金と 79の銀の両取りになっています。

 

*こんなにうまく 行くはずはないですか?


いえいえ。。6枚落ちは


時間制限ある対局で 下手が 時間に追われると

結構 こう進行する場合がある手合いです。



*下手は この様な微妙な 変化へ 対処が万全なら 


手合いが違います。

6枚落ちは卒業です。
 


では 2つ前の △66歩までの図に戻して

66の歩を 同金と取らない変化も観ておきます。
 


:△66歩 ▲68金 △54角


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歩を取らずに ▲68金と下がると

 

上手は △54角と打ってきます。


苦しい角打ちですが。。。


 

これは△27角成狙いと

 

△76角から △67歩成を見せた手です。

 

これも 結局うまくいかないのですけど

 

たまに 成功します。


*△54角以降も 各々でご研究下さい。


 

乏しい上手の 悲しい手順でしたが

 

このように隙あらばと 

あれこれ考えています・・。


 

この記事を読んでみて 悲しいな上手は

 

と思う人は 

早く 4枚へ進んでくださいね!涙

 

今日はここまでにします。



 

 

 

【本日のまとめ】

 

・上手:△84歩がある

 

  以下  ▲同角 △83金以降は

書籍で復習しておいてください。

 


・上手の△64歩
をみてから 下手は▲56歩です。

△64歩としてこないのに▲
56歩は

 

不要の1手になります。

 


・上手が△
64歩としないで △73金~△84金の

図々しい
手順には

 

下手は ▲55角で勝ちましょう!

=55角
以下の変化も 書籍で復習しておきましょう。

 


・初手に怪しげな △
22銀から 65歩と伸ばしてきたら

 

下手は無理に ▲84角と切らないで 

「1筋突破定跡」が良いです。


(1筋突破定跡も学習しておきましょう)


 

△66歩が来ますが 6筋は 丁寧に受けてください。

 

=その後からの▲香成~▲飛車成 は 悠々間に合いますから。

 

ここは慌てず 急がず しっかり 受けておいてください。

 

*67の地点に限らず 

上手に 「と金」を作らせては良くありません。

 


なお 当記事中の「書籍」 とは

所司七段と 先崎九段の著作を指しています。

どちらの本にも記載がありますので

お持ちの方は さらに学習を進めてくださいね。

書籍の詳細は

6枚落ちその1の記事の最後に 記載しています。
 

ご確認ください。

 

また一緒に勉強しましょう。

 

 

*【その3】の記事へ続きます。

 


 

局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

ありがとうございます。