今日の「詰将棋並べ」

勉強の準備は良いですか。

初めての方はまず 下記の過去記事で

学習の進め方をご確認ください。 

 


ぴよ将棋さんを使用した学習方法もご参照ください。

 


 

ご自宅の盤駒で じっくり

 

職場のご休憩の時間なら

マグネット盤などで

 

並べてくださると嬉しいです。

 

 

続いてコツコツと

 

江戸時代の作品から勉強していきます。

天野宗歩のお弟子さん「渡瀬荘次郎」

 

Wikipediaさんより

 


 

 

渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から


 

「江戸慶応」の時代の詰将棋です。

 
今回は 

 

 

「待宵 第41番」です。

 

 

【テーマ】


 

・一間龍(寄せの手筋)

 

・移動合(盤上の駒を移動させる合駒) 

 

・余詰(攻め方が手を変えても詰む手順)

 

 



 

初形

 

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詰め手順(作意手順)

 

96龍 95桂 84金 同玉 85龍 

73玉 74と 
同と 同龍 82玉

 

83歩 81玉 63馬 92玉 72龍

 

91玉 82龍 

まで 17手詰

 


いつもと同じです。

今回も 詰め手順を観ながら

並べて

解答ごと・手順ごと 憶えてください。

 

繰り返し並べて また初形へ戻して

 

繰り返し 駒を動かしているうちに

だんだん 記憶できるようになってきます。


この「詰将棋並べ」の連載 では 

 

自ら「解こう」としなくて良いです。

 

並べて憶えるのが

当ブログ【詰将棋並べ】の

主眼の 学習方法となります。

 
ここで考え方などを身につけておき

自ら詰将棋を【解く】 醍醐味は 


お手持ちの 書籍で

日々の練習として 楽しんでください。 



*17手は 苦行かもしれないですが


この手数からしか学べない

「物語性」のある手筋の連続が 

手順中にあります。


これは

1〜5手詰には 無い世界観です。

 

 

:詰上がり図


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初形の作図も 盤駒で

出来るようになってきましたか?

 

できるようになったら

下へ進み 詳しく学習していきましょう。

 


 

 

学習・研究


 

*初手の研究(選択)

 

  

:初手 ▲9

 
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少し 初形図を眺めてみてください。


 

初形図をじっくりみてみると……

 

*初手はこの常識的な手 

「9
龍」 が一番と思います。

 

その他にも王手がかかりますが・・

 

詰みは見込めないですね。


 

縦の【一間龍】が良さそうです。




参考記事:待宵第22番




*「初形図をじっと観る」習慣をつける


 

 

 

:初手▲96龍 △95金合 

 

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*初手の▲96龍は △94玉とはできません。 


▲96龍 に  △84玉と逃げても

▲74金   △同と  ▲同馬で


あっさり5手詰   =  早詰 です。




ということは 



初手 96龍には

95への合駒が必要です。



どんな合駒が必要かを ここから観ていきます。

*93に 玉方の歩が配置されていますから

「歩以外」の合駒ですね。(2歩の反則)


上図では 仮に 金で合駒をしました。

 
 

:初手から▲96龍 △95金(合)85金!

 

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▲85金は

 

一間龍での手筋ですね。

 

良い手です。

 

75の「と金」 が利いているので

少し 打ちにくいですか?

念のため:表記は 

▲85金【打】ではありません。


「打」は不要です。

参考記事:符号のおはなし




 続けます。 



 

:初手▲96龍 △95金(合) ▲85金 

 △同と ▲同馬

 

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85の地点には 52からの

馬の利きもありました。 

 

上図で詰みです。5手詰。


玉方の 83にいる

桂馬が邪魔をしていて

 

玉が 下へと 逃げるとことができませんね。


上図

 


前述の通り

玉と 96の龍は 縦の一間龍ですから

95への 駒を打っての合駒は

駒の種類に関係なく この筋での5手詰です。



さて どうしましょうか。

玉の退路には 83の桂馬が邪魔 だと

先程書きました。 


 

【移動合】はどうでしょうか。



移動合とは:盤上の駒を移動させてする合駒です。

 
 

初手の▲96龍には 

83の桂馬を跳ねて移動合をして

 

83への逃げ道を確保しながら 

96の龍の王手を受けます。

観てみましょう。 


盤面を 初形に戻してください。

 
 

:初手▲96龍 △95桂!

 

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△95桂と 移動合をしました。

これで 下への逃げ道ができましたね。 

 

*この移動合という

合駒の仕方をぜひ憶えましょう。

 

  

 

:初手▲96龍 △95桂 ▲85金 △83玉


  (攻め方 失敗図) 

 

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先程と同じく 3手目▲85金とした図です。

83の桂馬が邪魔でしたが

移動合のおかげで

 

今度は △83玉と

逃げることができました。

 

詰みませんね。

 

玉方は 下が広いです。

3手目を変える必要がありそうです。
 

 

*攻め方の▲85金を △同と 

と取ると

 

▲85同龍で詰みなので 注意が必要です。



盤面を 初形に戻してください。
 

 

初手▲96龍 △95桂 ▲84金!


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3手目を ▲84金としました。


84金は この後の

絶妙の手順の始まりです。

 

 

 

図:3手目▲84金 △同玉 ▲85龍!

 
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つづいての▲85龍が

素晴らしい手です。


この一連の手順は 勉強して 知らないと指せない手です。

ここまでは 作意手順通りです。 


 

:5手目▲85龍 △同と (失敗図)

 

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5手目の▲85龍を

「と金 」で 取ると 早く詰みます。


以下で チェックしておきましょう。


 

:5手目▲85龍 △同と 

74と △94玉 ▲61馬 

 

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上図まで 9手の早詰です。

 

移動合の桂馬が 今度は

上部への逃げ道を塞いでいて

 

上へ逃げられません。

 

最後の ▲61馬が良い手ですね。

 

盤面を 5手目▲85龍まで戻してください。

 
 

:5手目▲85龍 △73玉

 
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従って 85龍には 玉方

 

73玉と逃げるのが最善です。

 

上図

 

 

図:5手目▲85龍 △73玉 ▲74と
 

 

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7手目までの上図

 

続けて「と金」が働いてきます。

 
▲74と には △同と が作意手順ですが

 

この 「と金」を 取らずに 

次の8手目を △72玉 なら


 

:7手目▲74と △72玉 

▲83と △81玉 ▲82と

 

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△72玉と逃げるのは 「と金」で追えば

 

以下はどう逃げても 詰みです。

 

作意手順より早く詰みます。


*盤駒でご確認をお願いします。

 

 

盤面を 7手目▲74との局面に戻してください。

 
 

:7手目▲74と △同と

 

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というわけで ▲74とには

 

この「△74同と」が最善の頑張りです。

 

いよいよ詰みが見えてきました。

 

 

:7手目▲74と △同と 同龍 

△82玉 ▲83歩

 

 

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一見 盤上の駒が少なく 逃げられそうですが

攻め方は 味方の駒の利きを上手く使い 

 

▲74同龍として

少しずつ 玉の包囲網を狭めていきます。

 

11手目▲83歩には 

 

・△92玉は ▲72龍とすれば早く詰みですね。

 

・△91玉も ▲71龍の一間龍で早く詰みです。

 

 

:11手目▲83歩 

81玉  ▲63馬  92玉
 

 

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▲83歩には

△81玉が 玉方 最強の頑張りですが

 

そのあと▲63馬が 

これまた良い手でした。

 

・▲63馬に 14手目△91玉と逃げると

▲73馬 △92玉 ▲82馬で

 

早く詰みですから

 

△92玉として 以下

 

作意手順:△92玉 ▲72龍 △91玉 

▲82龍(ないし82歩成)

 

「最終手余詰」ですが きれいに詰みでした。


 


しかし この待宵41番には

余詰がありました。

 


余詰とは:攻め方が 手を変えて詰む手順のことです。


この手順もぜひ 憶えてしまいましょう。

 

初形図から 14手目▲92玉まで 進めてください。 

 
 

:13手目▲63馬 △92玉 

 

     ▲82歩

 
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初手から 14手目△92玉までは

作意手順と同じです。 


余詰の手順は 15手目で

▲82歩成と

 

ここで歩を成って 捨ててしまいます。

 

 

:15手目▲82歩成 △同玉 

▲72龍 △91玉 ▲73馬(ないし81龍)


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上の手順で詰みです。

 

これは 19手詰になります。

 

作意手順は 17手詰

 

記事冒頭に示したのは

 

最短で詰める 前述の作意手順で記載しました。

 

 

 

:反転図

 

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いつもの 反転図です。

この玉を自玉と想定して

この反転図からの詰みを確認して

  

この玉を 詰ます 練習をしましょう。


最終盤での



 

*自玉の 詰みがあるなしの

読みの練習になりますね。



 

では 詰め手順を観ながら 並べてください。


 

詰め手順:

 

96龍 95桂 84金 同玉 85龍 

73玉 74と 
同と 同龍 82玉

 

83歩 81玉 63馬 92玉 72龍

 

91玉 82龍 

まで 17手詰


 

反転図からも

違和感がなくなるまで 練習してみてください。

 

自玉に詰みがあることがわかりました。


 

*余詰の手順も並べてみてくださいね。


 

では この反転図の玉に

詰みがあることを確認したら

手前を手番として


いつものように

 

詰めろを外してみましょう。

 

盤面を 反転図初形に戻してください。
 
 

:△84金


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この △84金で 

詰めろが外れました。

 


 

注意:「△65と」とすると

 

▲85金で 詰みなので気を付けましょう。 

 
*角の利きに注意しましょう。 

 



 

今日の勉強は終わりです。

 

手順は 憶えるまで 繰り返してみて下さい。

 

お強い方は頭の中で動かして全部の変化を憶えてください。

 

自玉の詰みの確認も 

 

是非「反転図」からでお願いします。

 

そうして「詰めろ」を 

外す手もいろいろあるので

 

練習してみましょう。

 

 

*例:84金(しっかり金を打って詰みません)


 

一例です 覚えておいてくださいね。

 

まだまだ 逃れる手があります。 

 

 

お強い方はたくさん詰めろを 

外す手を探してみて下さい。

 

また一緒に勉強しましょう。

 
 
*用語に関連する過去記事

余詰→待宵第6番



最終手余詰→待宵第21番


 

局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

ありがとうございます。