将棋の勉強・羅針盤⑩

 

 

今回は8枚落ちの対局から 「その2」

 

前回(1)の記事の続きになります。

お友達との 駒落ち 8枚落ち実戦です。

 




前回記事では  31手まで進んで

【指し掛け】 としました。


図: 8枚落ち初形図

rsn9-1

まずは 8枚落ち初形図から

31手目△54玉まで 並べます。

前回のおさらいです。

初手から
指了図1までの指し手

 

△32金 ▲76歩 △72金 ▲26歩 △74歩 

▲25歩 △73金   ▲
24歩 △同歩 ▲同飛 

 

△23歩 ▲28飛 △64金 ▲38銀 △54歩

 

▲27銀 △55歩 ▲26銀 △62玉 ▲25銀 

△44歩 ▲24歩 △同歩   ▲
同銀 △53玉 

 

▲23銀成 △43金 ▲32成銀 △65金 ▲23飛成

 

△54玉 (指了図1)

 


図:31手目△54玉 (指了図 1)

 
rsn9-8

前回は ここまでで 指し掛けとしました。

今回は さらに少し 指し進めます。

下記の 指了図(2)で また差し掛けです。 

 

 

指了図1から指了図(2)まで


 

今回の指し手


 

▲78金 △76金 ▲68銀 △84歩 ▲69玉 

  △85歩(指了図2)

 
 

図:指了図(2) 

 

40484693-135C-4B83-AC42-A4B5599B4F7B

 

前回から 「6手」 進みました。

上図まで

今回
あれこれ 上手っぽく・・

 

書いてみたいと

 

思います。

 


 

 

 

図:前回までの 指了図 ( 1)

 

rsn9-8

前回までの指了図です

下手は▲23飛成と 龍を作り

飛車の成りこみに成功しました。


 
【見事に2筋を突破しました】

 

棒銀での 攻撃成功ですね。

 

一方の上手は 「△54玉と立ちましたが

 

今 玉を上がっておかないと 

次の下手 ▲33成銀


厳しい手となる
ことは 前回記事で述べました。 


 

*金を53へ逃がすための

横に
寄るスペースを作ったのと

 

上手の玉も中段で 55の位の維持へ貢献

そして自らの玉も

攻め駒
の補助参加しようと

 

考えていました。


ふわふわした中段玉は捕まえ難いですね。



 

自分の感想では

「▲
23飛成(棒銀の成功後の飛車成り場所)が 

 

自分では 8枚落ちでは 見かけない手でした。

 

45歩が突けそうにない展開で 困りました。


この3段目の龍には参りました。

 

*今度は 「▲23飛成

何か対策・手順を考えておきます・・。


 

上手としては 上図までの局面で

 

金2枚と 玉と 

歩の組み合わせで なんとか攻防 というところです。

 

(´-`)・・出来れば 「と金」 を作りたいなぁ

=たぶん
この相手には、夢。

 


٩( 'ω' )و 4・・下手の「29の桂馬」
欲しい

=28歩と打てれば 取れそうです。


龍の利きが 2筋から 逸れた時がチャンス。

 


( ̄ー ̄)・・あわよくば
2筋方面から入玉狙い

この相手には難しそう。

 

 

下手は この局面

上部での圧迫感があるかもしれません。

 

 今回学習する 6手を もう一度見てみます。

指了図1から

▲78金 △76金 ▲68銀 △84歩 

▲69玉 △85歩 (指了図2)


再掲: 指了図(2) 
37手目△85歩まで

C32B8221-23AD-4A7D-81CF-E367AC31491E

31手目の指了図1までで

下手は 飛車を成り込み

攻撃は成功しましたね。

上記の6手で 下手の次の目標が

わかります。

赤い枠に注目して下さい。

下手のお友達は ここから

囲い」の構築を始め

まだ未完成ですが

カニ囲い という囲いを目指して

駒を動かしています。



後述しますが(上図)赤枠の58に

金が来れば カニ囲い完成となります。



*実際の8枚落ちで 初めて指す方に

 

カニ囲いにされたことは

 

実は 自分はありません。


書籍には 書いてありますが…

初めてでは

自玉の守りまでは 中々 


気が回らないし わからないですよね。 



一局 指してみた後で

 

このように指したら?いかがでしょうと

提案したり 駒落ちの書籍をご紹介して

 

→ 勉強した方達は

 

この「カニ囲い」を指されます。



そうするともう 8枚落ちは卒業して

 

さっさと6枚落ちに行きましょう!

と話しています。



 

この「囲い」で

上手からの 上からの圧迫感は 

なくなり 対策万全となります。


陣形に隙がありません。


玉頭に「と金」 は作られません。

 

 
前回記事の終わりでご紹介した 

 

先崎学九段著「駒落ちのおはなし」の P19に
 

手順解説と 有名な一文があります。

 

是非 お読みください。

(→「最強の駒落ち」(講談社現代新書)ならP26に記載)


*所司七段の書籍

【決定版】駒落ち定跡には 

8枚落ちの章では 

この カニ囲いの記述はありません。

P66の「4枚落ち」からは 記載があります。

カニ囲いは この後 手合いが上がっていき 

4枚落ちや2枚落ちでも 学ぶ囲いです。 

8枚落ち  から ぜひ憶えてくださいね。 


おすすめします。

 

では 今回の6手を 詳しくみていきます。

盤駒をお持ちの方は

盤面を 指了図(1)の局面にしてください。 
 



 

:指了図1より 32手目▲78金
 

 
263B1BAF-BEC8-422D-9F4E-862C6CF93A33
 

これは 良い手です。

 

先崎九段の書籍では 

68銀→78金の順番が書いてありますが

 

要は

 

*龍を作ったら「囲う」という事です。

 

下手の 8枚落ち 必勝パターンです。

 

 

:指了図1から「下手のみ4手」動かした図

 

FC4F9466-6C0B-4409-AA57-4BB508AEE954

 

指了図から 4手 【下手の駒だけ】

 

動かしてみます。

 

▲78金→▲68銀→▲69玉→▲58金 (上図)

 

「カニ囲い」の 完成です。

 
自陣に龍を作られ 攻め込まれ 

さらに 玉の守りもカニ囲いで 固められて。。
 

こうなったら上手は

手も足も
出なくなります。



 
では ここからは

 

下手が 囲わないで攻める場合を
 
観ておきます。

 
 

*囲わないで攻めて来られるかたが殆どです。

 

盤面を 指了図(1)に 戻してください。 

 
 

:指了図から 33成銀

 

32396B5C-B42E-4177-9B14-38DB8C8FDD41

下手のお友達は 実戦では

カニ囲いを目指してこられましたが

△54玉のあと

仮に下手が 囲いを作らずに 

 

▲33成銀と 攻めてくると どうなるのか?

その手順をみていきましょう。


囲わなくても 龍が出来ていていますし


下手が勝勢なので


簡単に 調べておきます。

 

 

:▲33成銀 △53金 ▲34成銀 △76金

 
08269429-FBF9-472B-AA20-084E416399E1
  


この展開が予想されました。

 

下手の▲34銀は

今回の対戦相手が

実際に指された方針・予定

 

として 上図としました。

 
上手は  
76の歩を

金で取りました。

続けて 観てみます。 

 

 

:▲78金

 
04FF8E4F-F665-470E-BE68-116D4957C342



上手の △76金に

なんだか不安になって?

 

上図のように ▲78金と

一転して守る方も 
結構います。


(囲いという意味ではなく 守備?)

角は 頭が丸い(=上に駒の利きがない)ので

上手の攻めの狙いは 


△87金だと読まれているのでしょうか。


しかし 現状 △87金は怖くありません。

66角と逃げると 

上手は次の▲93角成が防げません。 

 

 ですから

△87金には ▲66角で ▲93角成で馬作り

 

・・それでは困るので 

 

上手は △87金とはしてきません。

 


上手の△76金は 図々しい手です。


1歩補充。

 

上図で下手は ▲78金としましたが

 

下記のような手もあります。



 

図:△76金 ▲55角

 

D92C24C3-BF7B-4C3B-AB12-81CB6AD8170C

上手が △76金と来た時

 

▲55角という手があります。

 

強烈ですね 。

(少し乱暴な手なので真似は 要注意です)

 

この手がいきなり指せて

 

この後の展開も読めているなら

もう下手は 8枚落ちの方ではありません。

 

手合い違いです。

上手が この角を 取ってしまうと

 

▲55角 △同玉 ▲53龍 △54歩 ▲56金で

詰みです。

 

この▲55角は 

▲77角成を
狙っていますし

 

▲55角を取らずに△64金でも 

▲44角と 普通に角が活用されて

 

上手は困っています。

 

▲44角から△53龍という調子です。

実質 終わりです。


上手が  角に構わず△67金としてきたら 

▲68銀と 駒をぶつけて

金と銀の交換を迫りましょう。

 

△67金 ▲68銀 △同金なら

▲同金として 上手の金と 自分の銀の交換の成功です。

金の方が 駒の価値が上ですし

「8枚落ちの攻めの 要の1つ ・相手の利いている金を狙う」です。

 

この上手の金を狙って 

ガツンと!銀を ぶつけていきましょう。


個人的には 8枚落ちの 上手の金に対して

【ぶつけての交換】が分かりやすいと思います。


 

上手の力を過剰に気にして ひるんではいけません。

 

飛車成で攻撃成功した後に

金銀交換は 下手が良いです。


玉は 上下で挟み打ちにされそうです。。


下手の素晴らしい作戦で

このように 上下で挟まれ
上手の玉は

「寄っています」


 

ただし

「8枚落ち」の手合いなら 


第1に  下手は ▲55角と指してこないと

 

上手は 読んでいますし

 
 

* 繰り返しですが


▲55角は 少し乱暴な手でもありますか。


大駒を「切る」

=価値の高い駒を捨てて攻める

その癖を 8枚落ちでつけるのは 


良し悪しです。


*勇気と乱暴は 紙一重です。


(単に 雑で荒っぽい将棋と

元気の良い将棋とでは 意味合いが違う気がします)

 

 

では 仮にここで

上手が さらに用心深く
警戒して 


▲55角が 来たら困るので


上図 △76金の代わりに


△84歩と 

8筋の歩を伸ばしてきたらどうでしょうか?

 

*下手の角の頭を狙って

この歩は 圧迫感がありますか



下記で観てみます。



*2つ前の図の ▲34成銀からの局面です。

 
金を 65の位置に戻してから 駒を進めてください。
 

 

:▲34成銀 △84歩 ▲33龍

 

A4EF8469-5213-4F26-AE2A-2056FD3F0229

前回の記事でも書きましたが

 

上図 最後の▲33龍が

今回のお友達の狙いでしたし

 

このあとは 

2筋に
歩を垂らして 

【と金】作りの予定だったとのこと。

 

しっかりと 勉強していますね・・


 

しかし


▲33龍には 上手も 用意の一手があります。

 
 

:△28歩


2E50305F-6483-47FE-898D-6DAAFFFA8526

仮に  下手が▲33龍なら

 

この △28歩を用意しているのが

8枚落ちの
上手です。

龍が 2筋から3筋へと移動したので

2筋での龍の「利き」 がなくなり

歩を打って 桂馬を取りに行くことが

可能になりました。

 

上図は 上手が急に 元気のでる局面です。

 

うまくすれば 桂・香が拾えるかもしれないですし

 

あわよくばこのあとスルスルと

2筋方面
から

 

「入玉」できるかもしれません。

 
このあとの進行の一例を 続けて観ます。

 
 

:▲28歩 △23歩 ▲29歩成 △22歩成

 

4A9174B7-D360-4661-9D11-516E36DC9E47


下手も 23に歩を打って 

「と金」を作りにいきました。

上図では
 

上手も 下手も「と金」ができました。 

 

しかし 下手は と金を作られたうえに

桂馬を取られています。

この桂損は大きいと思います。

 
ここから 下手の
 

32と→▲42と→▲43と 

 

の3手が 間に合えば

もちろん 下手の勝ちですが


瞬間 少し緩いと思います。

*桂馬を手に入れた上手も 

何か 策を打ってくるはずですよね。   


交互に指しますから

上手も同じく3手あるので

11の
香を取ったり

 

を入手してから あれこれしてくるはずです。


つまり

この 下手の「と金」は

間に合わない可能性があります。


 

下手の2筋に「と金」を作る作戦は

良い感じですが

 

では どうしたら 

上手から △
28歩を打たせないで

 

▲23歩~▲22歩成を実現できるでしょうか?


 

局面を▲34銀成 △84歩まで戻します。

 

:△84歩 ▲25龍

 

7854BDDF-CF2F-4846-B790-63F413368D7C

 

▲33龍の代わりに 

 

「▲25龍」と 

23の地点から 龍を引いてみました。

 

横の 5段目に 駒の利きが通っているし

 

このあとは 

龍の前方へ▲24歩として と金を作りに行っても 

上手の△
28歩には ▲同龍で良いですね。

2筋もしっかり守られています。 

 

 

:▲25龍 △85歩 ▲24歩


10FFA132-A4FF-41DF-B893-932412A93808

▲25龍に △85歩として

なんとか 手を作ろうとしますが

前述通り 下手は ▲24歩 と

歩を「垂らし」

と金を作る準備を始めました。

このあとは 

 

下手にポチポチと「と金」を

ゆっくり作られる間にも

 

上手は 有効な指し手が 見当たりません。

 

だいたい 

歩を垂らして【と金】を作ることが出来る

 

=これは初心の域は超えています。

 

これでもう8枚は 卒業です。

 

棒銀戦法で きれいに 敵陣も突破できるし・・


これは上手 お手上げです。

 

 

以上 簡略に書きましたが


囲わなくても 充分

下手は勝てそうです


また 上図の局面において

次の指し手で  上手が

 

うっかり  △76金 として8筋攻めで

7筋の歩を取ると ・・・


 

:▲55龍

(上手玉の詰みで下手の勝ち)


35C5B54A-3FCD-4261-8A62-5CD6A38B5352

 

▲55龍で なんと詰みです

88の 下手の 角の利きがあり

上手は この龍を取れません。

43の地点に 逃げられるかな?と思いきや

34に成銀がいますから 逃げ場がないのですね。

上図で 上手の玉が詰んでいることを

駒の利きを よく見て 確認してください。

*駒の【利き】を見ることも 上達への大切な要素です。 

 

こんなにうまく行きませんけれど

 

狙い筋は 知っておくと良いですね。

 

 

 

上手 55を守る△64金として~△76金の手には

 

「▲56歩が良いかもしれません 


△同歩なら ▲44成銀で詰みです。 

 

これも 角のライン(利き)を活かした

狙いの1例ですね。

 

34にいる成銀が 良い働きをしてくれそうです。

 

盤駒でご確認お願いします。

 




今回は ここまで

37手目で「差し掛け」とします。

 
実戦の本筋から離れ 

【囲わないで攻める手順】についても

勉強しました。
 

8枚落ちは 将棋を始めたばかりの

初心の人
の手合いですが

 

10枚落ちに比べて

勉強になる事が増えて 実力が付きます。

 

いろいろな「手筋」を知る勉強の機会として

指し
てみましょう。

 

か 上手に教わって勝てるようにになれば

 

直ぐに次の「6枚落ち」へと進みましょう

 

とにかく8枚落ちの上手には

 

指す手・有効な手は殆どないので

 

下手は 過度に 恐れず あわてず 

ゆっくりゆっくりで大丈夫 丁寧に指す

 

=気持ちをしっかり身に付けて(→ここが重要)

それを養う手合いが この8枚落ちです。

 

あわてて大駒を切る ▲55角とかの手も

書きましたが

 

あまりこういう 大技には 飛びつかないで

 

「地味に」 金銀交換や と金を作るのが 良いですね。

 
*「派手ではない普通の手 」


を身につけることが

8枚落ちでは 大切です。

 

次回 その(3)では

実戦で 下手が指した本筋

下手が カニ囲い囲ってから攻める


=囲った後の
手順で

 

今回の棋譜を 続きから観ていきます。



【囲って 玉頭周辺に 上手には「と金」を作らせない!】





 

【今回のまとめ】

 

*カニ囲いを憶えましょう。

 

*下手 の「と金」の攻めは着実です。

 

こんなにゆっくりでも?

8枚落ちでは
大丈夫。下手は間に合います。

 

上手の△28歩には要注意

 

*龍の使い方を学習しましょう。

 

 


 

再掲:今回記事の 指了図2  (37手目△85歩まで)

 

rsn10-3

 
さて 

 

ここで 下手はどう指しますか?

 

【その(3)へ続きます。 】

 

駒の特性や 符号表記も

併せて 憶えていけるといいですね。

参考カテゴリ:符号のおはなし


 

 

局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

ありがとうございます。