将棋の勉強・羅針盤⑨

8枚落ち実戦での学習 

 


将棋は

ずっと経験を積んで
指していて 強い人

 

始めたばかりの 初学の人では


実力が違うのは当たり前です

ですが 実力が違っていても

 

その差に応じて ハンディをつけて 

 

一緒に共に

 

将棋を勉強し 楽しめる方法があります。

 

駒落ち戦です。

 

駒落ちでは 対局を始める際

棋力が高い方が あらかじめ

盤面の 自分の 駒を 減らします。

=駒を落とす といいます。

また 

・棋力が上の人を 上手(うわて)

・棋力が下の人を 下手(したて)と呼び


上手が落とす駒の数は 下手との

棋力差によって異なります。

様々な駒の落とし方(手合い)が存在しますが

今回の記事では 

8枚落ちと呼ばれる駒落ちを取り上げます。

駒落ちについては 日本将棋連盟HPも

併せてご参照ください。




図:8枚落ち初形図

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上図が 初形図です。

特殊ルールではない限り 駒落ちの場合は

初手は △上手から指します。

*通常の「平手」の手合いですと

「▲先手」から指しますが

駒落ちの初手は「△上手」からの棋譜になります。

また 上図では 上手下手ともに

「玉」の駒ですが

使用する駒の種類によっては 

上手が 【 王 】

下手が 【 玉 】を使います。

*道場などの平手戦でも 段級位の上位者が

「 王 」を持つ事が多いです。

プロ棋士の先生方でも 譲り合いをしているシーン

たまに中継で見かけますね。


この「駒落ち」は
 

上手・下手ともに

 

とても勉強になります。


お強い方は上手を持ったつもりで


お読みくだされば幸いです。

 

自分プロの先生と指すときには

 

もちろん を落としていただいています。

 
小学生時代に 

 

二枚落ちでプロの先生に勝てるなら初段


と言われて

 

3年かかって 卒業しました。

 

自分はこの「二枚落ち卒業

一番長くかかり 


難しいなぁと思いながら

 

当時 コツコツ勉強していました。




*プロの先生の「本気の」 二枚には


なかなか 勝てないものです。




駒落ちにも 平手と同じく

上手・下手ともに【定跡】が あります。

*定跡とは 長い歴史の中で確立された

有用な指し方のことです。 

 

当時 駒落ちの定跡書もたくさん読みました。


もちろん 今でも読んでいます。

 

 

昨今は 将棋ブームということもあり

プロの先生が上手を持って教えてくださる

「指導対局」が盛ん
ですね。

 

駒落ちをあらかじめ勉強しておくと

 

プロの先生方に

直接教えていただける機会がある際には

より 対局を深く楽しむことができます。


棋書の 定跡通りの指し手と 

全く同じにならなくても

どの程度 下手がお勉強しているのかなど

プロの先生なら 指してすぐにわかります(^^) 

的確なアドバイスをくださることと思います。

プロの先生方は とてもお優しいです。



自分は 普及指導員の資格もあるので

全ての手合いは上手・下手とも

香落ちまで 一通り学習してきましたが

今は「飛車落ち」を主に勉強中です。

 

 

さて 今回は

 

駒の動きがわかって

ルールがわかる・符号も記載できる

 

そして 将棋のお教室に通ってるという方が

 

一緒に勉強で指してくださった棋譜で学習します。

 
(ご本人にはブログでの掲載許可頂きました。)


自分は 上手を持って指しましたが

 

下手の考えとか気持ち・ 思い

 

意外と 普段もわからない部分も多く

 

個人的には 一緒に指していて 


とても勉強になりました。

 

 

普段の普及の活動でも

上手を持って指す事
が多いのですが

 

一局一局が 自分自身へも有益です。

*初めて将棋に触れるという方は

まず こちらをご一読ください。 



盤面の「符号」の読み方・書き方

こちらもご参照ください。





では、みていきましょう。

*この8枚落ちは 今後 数回に分けての

シリーズ記事で構成いたします。

今回の記事は その(1)です。


 

 

8枚落ち実戦よりその(1)

 

お手元に盤駒をお持ちなら

駒を実際に動かしてくださると嬉しいです。

 


【令和元年11月1
日から対局開始】


ところ:Twitter上対局

 

持ち時間:無制限

(のんびり・ゆっくり指しましょうルール)

 


△上手:自分(将棋センター・道場:四段 )


▲下手:お友達フォロワーさん:棋力未定とのこと。

 

 

:8枚落ち初形図

 

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8枚落ちの初形です。

 

8枚落ちとは 上手の

 

飛・角・銀・桂・香 

 

これら落とした局面のことです。

 

金が2枚 上手にはあるので

 

10枚落ち(さらに金も落とした駒落ち)よりも

 

下手としては 意外に手強いと思います。


以下の棋譜が 今回学習するものです。

8枚落ち初形図から 符号通りに

ゆっくり 並べてみてください。

「駒落ちの定跡本」をお持ちの方は

本の 記載通りの進行ではありませんが

上手・下手の

指し手の狙いなどを 一緒に考えながら

記事を読んでくださると嬉しいです。


 初手から

 

△32金 ▲76歩 △72金 ▲26歩 △74歩 

▲25歩 △73金 ▲
24歩 △同歩 ▲同飛

 

△23歩 ▲28飛 △64金 ▲38銀 △54歩

 

▲27銀 △55歩 ▲26銀 △62玉 ▲25銀 

△44歩 ▲24歩 △同歩 ▲
同銀 △53玉

 

▲23銀成 △43金 ▲32成銀 △65金 ▲23飛成 

 

△54玉 (指了図・しりょうず)=次回記事へ指し継ぎ


並べ終わったら 盤面を初形に戻してください。

以下で 初手から 詳しくみていきます。

 

 

:初手 △32金


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前述の通り

 

駒落ち将棋は △上手(駒を落とした方)から

し始めます。

 

初手は「△32金」としましたが

 

8枚落ち上手の定跡では 初手は

「△72金」と
書かれている書籍もあり

 

お教室にも通われている方なので

多少 びっくりするかな?


などと思っての △32金の初手です。

 

これは33の地点を守った手です。

 

さて 次の手番(指す順番)は

▲下手のお友達

どのように指してこられるか

 

楽しみでした(^^)

 

平然と直ぐに 2手目▲76歩 とされて・・

 

 

:初手から

△32金 ▲76歩 △72金 ▲26歩

 

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あれれ

 

全く 驚いてくれないし!

 

ここまで 初手からわずか4手。

上図の局面で

 

▲下手は

もう初心者さんで
ないことが判明しました。

 

(ボコボコにされるのかなぁ とか思いました)

 

角道を開けた「▲76歩

 

そして次に 飛車を使う 

という意味の
「▲26歩

 

なんと素晴らしい手・気持ちの良い手でしょうか。

きちんと お勉強されています。 

 

困惑しました…

 

たとえば 

金や銀を動かしてみたり

 

端の歩を 突いてきたりするのが

 

本当の超初心者様です。

*駒の種類や 働きなどを まだ知らないのなら

どの駒を どう駒を使うかわからない点が多く


当然 そうなります。 


 

このお友達とは

ツイッター上で 一手ずつお互い手を書いて

指していたのですが

そこでの棋譜の符号もきちんと
書いてこられ

 

日頃 勉強しておられる様子が

ヒシヒシ
伝わってきました。

 

*8枚落ちの下手には 

9筋方面から攻める端攻め

 

最強の棒銀戦法

2種類の定跡があります。

 

今回は「最強の方」でこられてしまいました。


 

自分は 下手に棒銀でこられたときの勝率は

 

先崎学九段の 駒落ちの書籍(後述します)

にも書いてありますが

確かに悪いですね。


しかし

 

*やみくもに くる人や

一気に潰そうとする人には

 

結構 上手が勝ててしまうのが

 

この「8枚落ち」です。


下手は 

駒をたくさん落としてもらっているからと

 

決して あなどってはいけない手合いと思います。

 


自分は 意気揚々と無理に攻めてくるお子様たちには

 

8枚で少し意地悪しています←(●´ω`●)

( ×意地悪  ◯ 特訓 )


 

謙虚に「棒銀で勉強してきました」と仰る…

 

こういう人達が 実はお強いんです・・



実際 8枚の下手での出だしで 超初心者様で

▲76歩〜▲26歩と指される事は


少ないです。 


普段 勉強していて この2手が指せるなら

6枚落ち以上の手合いで良い気がします。



続けましょう。

 

 

:5手目△74歩 ▲25歩 △73金

 

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下手は 飛車を使って攻めようと

飛車先の歩をぐいぐい伸ばしてこられました。

 

一方 上手は「△4歩~△73金としました。


 

ここは「上手の大事」なところです。


 

下手棒銀戦法のとき

 

上手の 74の地点の歩

この「歩の下に金」を移動できるタイミングは

 

下手が「▲26歩」と してきた時だけです。

*上記の 4手目です。

ここから進むと

下手は 飛車のある筋の歩をぶつけてきます。 


(飛車先の  歩 の交換)

 

▲24歩 △同歩 ▲同飛のときに

上手が △74歩としていて その下からの

「△73金」の支えがないと 

 

次の下手の攻めの▲21飛成  と74飛の

両方が受からなくなります。

=上手は 1回の手番で

その両方の攻めを防げなくなるのですね。

 

上手としては26歩をみたら

74歩です

→次に▲25歩と来られたら △73金とできて

飛車先の歩の交換が始まる前に 間に合います。



将棋は

お互い交互に 1手ずつ指すルールですから

片方に攻めの2つの狙い・選択肢があると 

もう一方は 一度の手番では

両方同時に防げなくなるのです。  


(△73金が間に合わないと 飛車成と▲74飛 2つの狙い)

 

盤駒でご確認ください。



上手も 自分の金を枚 

4段目~
上に出していかないと

 

勝負にならないので

 

ここは上手が肝心なところです。



 

*ここで 対応を怠り

上手の△73金が間に合わなかったら

下手としては

 

▲24歩 △同歩 ▲同飛のとき


△23歩(▲21飛車成りを防ぐ手)には 

74飛として

 

上手の74の歩を 取ってしまいましょう。



この1歩を 取れば

上手は 困ってしまいます。


一気に収拾がつかなくなります。

このあと 下手に 


7筋から飛車を成り込まれる狙いの

防ぎ方も難しいですし。



1回 ▲75飛車と引いてから  例えば


・2筋とかへ飛車を戻して


その後 銀を棒銀で 上へ出して行っても 



・9筋や1筋へ 飛車を大きく転回して 


飛車成りを見せて 上手の陣形を乱す事を目指しても 


どちらも上手は【受け】が困難です。



どう指しても

下手が 
楽々攻めることができます。


たくさん駒を落とした 8枚落ちで

1歩取られた上手は 陣形を整えられず


指す手がありません。

うかつに指すと 下手の

攻めのチャンスがどんどん増えていきます。 



一方の下手は よく考えて

「ゆ〜っくり」指していけばOKです。

 

 

:8手目▲24歩 △同歩 ▲同飛

  △23歩 ▲28飛

 

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上記の手順は 何気ないやり取りですが


上図 は  下手が少し損でした。

 

▲28飛としたところで

 

*手番が 上手になっています。


=ここは重要です。



この手順では 指していて


「下手が後手を引いた 」と言います


=振り駒で後手番になったという意味ではありません。




この場合の手番とは 「次に指す順番」を得たことで

  攻める・または自陣を整備するなどの

「手を選ぶ権利  その順番」が  上手へ移った 


という意味の【手番】でもあります。 


 

8手目で ▲24歩と

飛車先の歩を交換しないで


先に銀を 

8手目 ▲38銀→▲27→▲26→▲35(ないし▲15)

 

と進め



→ 「飛車先の歩の交換」 は後回しにして


真っ先に 攻めの銀を 上へと進めます。



*下手は 上図の手順より


この銀を 真っ先に進める手順の方が


  「1手得」した ことになります。



*8手目での

「飛車先の歩の交換の得」も ありますが


8枚落ちの飛車先は 交換せず 1手の損を避けましょう。

 


*「どのみち2筋にもう一度 歩を打っていくからです」



*8手目から どんどん銀を前に出して


1手早く 

 ▲24歩 △同歩 ▲同銀 とします。



上図 ▲28飛 の局面だと

次に上手は 手番なので


1手 上手が指せますね。



(繰り返し:


上手は 「得した 1手」で 自陣を 整備したり

攻めの手を指したりの 選択肢が得られます)

 


*飛車先の歩の交換は 

最近の平手の
「相掛かり」でも

 

飛車先の歩交換は ギリギリ後回しが多いです。




くどくど書きましたが=重要


*厳密には  原則 「8枚落ち」では


飛車先の歩はいつでも切れる(交換出来る)


(棒銀で突破出来る)ので


下手は ギリギリまで歩を交換しないで


1手 損にならないように指す


=これだけ憶えておくと良いですね。




*8枚落ち上手の定跡で 

【灘流 】という指し方もあります


今回  ここでは 触れません。

ご興味のある方は 
先崎九段の著書「駒落ちのはなし」

でご覧ください。



また 飛車を引く場所として

 

「▲28飛 」 のほかに

 

▲25飛 や ▲26飛などの引き場所も

面白
いかもしれません。

 

ただ その後の進行で

上手が
金などの駒を

下手の飛車側に


上に 伸ばしてきたときに

 

*▲28飛の方が当たりが強くな

(飛車が取られる危険性が少ない)


という面と

 

*▲28飛のほうが 飛車の駒の特性である

「横利き」を活かして 玉を守っているなど

 

利点もありますか。



本譜の下手▲28飛は

とても 自然な一手です。




*この「1手の損得」の大切さは

後でまた出てきますので 


 少し 頭の片隅に置いておいてください。



続けますね。


*進行がわからなくなったら 一つ前の図まで

局面を ゆっくり並べ直してください。


図:13手目  △64金 ▲38銀 △54歩 

   ▲27銀 △55歩


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上手は 金を繰り出します。

下手は ▲38〜▲27へと

銀を 上がってきました。

棒銀の進行ですね。 

 

今回  上手は △55歩 で角道を止めて


なんとか 下手の角筋を歩で


止めて  角も使っての 大暴れされるのを

 

一旦は 防ぐ方策です (上図)


棒銀が強くて・・

 

「しっかり勉強しています」という

 

27への 悠々とした


銀上がりには困りました。



 

 

:18手目▲26銀 △62玉 ▲25銀

△44歩  ▲24歩 △同歩 ▲同銀 △53玉 

▲23銀成 △43金 

 

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細かいところですが 

18手目の銀は


▲36銀とした方が

ほんの少しですが 良かったと

個人的には思っています。


*飛車先が23の地点まで 通っています。

▲36銀にすると

飛車の進む2筋の先が スッキリして 

利きが通っています。 


また 36に進むと 銀は

中央方面へも 4筋にも影響出来る位置です。



・飛車先の歩の交換をした後は 棒銀は 36が少し得。


・飛車先の歩交換をしないなら ▲26銀と進む。



 

2筋は 棒銀であっさり突破されてしまいました。


*上記の この手順は

将棋 超初心者様は 丸暗記でお願いします。



 

このお友達は

「8枚落ち」の手合いの人ではありません
よね 汗;

きちんとお勉強されていることがわかります。 


26手目から

 

▲23銀成 △同金 ▲同飛成 では 

将棋が終わってしまうので


(=金を下手の駒台へ渡して 飛車成を許して損です)


 

上手は あらかじめ44歩と突いておいた 


43の地点へと 金を上がります。


*△43金(成銀から 逃します)




8枚落ちで 上手は 2筋は


放棄して 明け渡す事にしました。



上図

 

上手はなんとか・・中央から 金や玉も盛り上がって


下手の陣形の 弱点を探します。


 

 

:28手目▲32成銀 △65金 ▲23飛成

   △54玉(指了図)

 

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【飛車の成り場所】

 

30手目では「▲22飛成

あったかもしれません。


飛車=龍を 2段目で使う。


書籍でよく見かける成り場所です。

 

 

次回以降の記事で わかるのですが

 

このあと下手は

▲33成銀→▲34成銀と

成銀を 引いて使ってこられたので

 

この▲23飛成には

なるほどと 
納得しました。

 

*3段目龍を「横へ活躍させよう」という


意志だったのですね。

 

上手は ふわふわ 中段玉として 


自分の金を盛り上げていきますが

 

いかんせん 戦力不足は否めません。

 

ここまで

下手が 素晴らしくて参りました。


指了図の △54玉の意味は


玉を 上がって 43にいる金の

逃げ場所 53の地点を 


あらかじめ確保しておかないと

のちに▲33成銀と来られた時


△53金と逃げられません。


突破された 成銀は

なるべく 相手にしない方針です。



ここでの 上手の金と下手の成銀の交換は

今 直ぐでは
上手が損です。 



 

 

今回はここまでです。




【指しかけ 】として

次回の記事に 持ち越します。 

 

指了図(しりょうず)で 


下手は ここからどのように指しますか?



*(2)へ続きます。

 

無料将棋アプリ【ぴよ将棋】さんの

アプリ版トップページの 入門講座をクリックすると

8枚落ちの講座が見られます。

 



【駒落ちの書籍について】

色々ありますが この2つを自分はおすすめします。


駒落ちのはなし (先崎学九段著)


 

【決定版】駒落ち定跡 (所司和晴七段著)



局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

ありがとうございます。