今日も「詰将棋並べ」
勉強していきましょう。
ご準備をお願いします。
初めての方は 以下の過去記事をまず参照下さい。
ぴよ将棋さんを使った学習方法の過去記事も
併せて ご確認下さい。
ご自宅では盤駒で
職場のご休憩の時間なら
マグネット盤などで
実際に並べてくださると嬉しいです。
江戸時代の作品から 勉強していきます。
天野宗歩のお弟子さん「渡瀬荘次郎」
Wikipediaさんより
渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から
「江戸慶応」の時代の詰将棋です。
今回は「待宵 第28番」 です。
【テーマ】
・一間龍の攻め方
・銀の特性・持ち味の復習
図:初形図
詰め手順:
31銀 23玉 32龍 同玉 21銀打
23玉 12銀不成 同玉 22金
まで 9手詰
図:詰上がり図
いつものように
解答・詰め手順を観ながら
繰り返し並べて 憶えてください。
盤駒を使って 詰めて また初形に戻して
完全に憶えるまでやりましょう。
【学習・研究】
*初手の研究
図:初手 31銀
初形図をまず観て 気づかれましたか?
「一間龍」の形です。
これは 将棋を憶えて
詰め手筋で 一番初めに
習う手筋の1つでしょうか。
この問題は 一間龍から
初手 31銀と王手をします。
その他の初手では
詰みまで 届きません。
例えば 初手を▲12金とすると
図:初手 12金 23玉
初手 ▲12金は
一間龍の形になっている時
龍と逆方向から王手をして
相手玉を移動させながら追い詰める
「送りの手筋」 といわれるものです。
今回は 12 の地点へ送るのが狙いの12金でした
この12 金を 同玉なら
▲32龍 からの詰みですが
△23玉と 1つ 玉を上がられると(上図)
詰みません。
23の地点に逃げ道があるので 失敗します。
盤面を 初形に 戻してください。
図:初手 11銀 23玉
初手 ▲11銀と
こちらへ 玉を誘導しようとしても
△23玉で やはり詰みません。
*初手▲11銀を同玉なら
▲31龍から一間龍となって 詰みになります。
初形図の一間龍に
初手▲31銀が 習いのある手です。
盤面を 初形に 戻してください。
図:初手31銀 23玉 32龍
初手の31銀に
△12玉 △11玉は
▲22金と打っていけば 詰みになります。
盤駒で動かして ご確認ください。
よって
*初手 31銀には △23玉の一手です。
その後の3手目 「▲32龍」が
素晴らしい好手で
この手で 詰みが見えてきます。
ここで攻め方は 銀を一枚入手しました。
駒台には 金・銀が 1枚ずつありますね。
図:3手目▲32龍 34玉 35金
3手目▲32龍に
△34玉や △24玉 △14玉
など 上部へ逃げると
金を打てば詰みになります。
作意手順より 早く詰んでしまいます。
盤面を 3手目▲32龍まで 戻してください。
図:3手目▲32龍 同玉
したがって 上図
▲32龍には △同玉です。
図:3手目▲32龍 同玉 21銀
32龍の時 手に入れた銀を
今度は ▲21銀と 下から打っていきます。
攻め方は 少ない持ち駒です。
効率よく 上手に 銀の 手筋で迫ります。
図:5手目▲21銀 41玉 42金
5手目▲21銀に △41玉は
▲42金で早く詰みます。
その他 ▲21銀に
・△21同玉は ▲22金で詰み
・△31玉は ▲32金で詰み
1段目に玉が逃げると
金を打てば 詰みになりますね。
いずれも 玉の頭から金を打つ
【頭金 】と呼ばれる 詰め手筋です。
盤面を 5手目▲21銀まで 戻してください。
図:5手目▲21銀 23玉
従って ▲21銀には
△23玉と 上部へ逃げ出します。
上への逃げ道が 広そうにも見えますが
ここから
残りの 持ち駒 金1枚で詰みになるのです。
図:7手目 ▲12銀不成
▲21銀 △23玉に
▲12銀不成 (ならず) とします。
銀の特性である 斜め後ろへの移動を
上手く活用した手です。
斜め後ろへ引き 王手をして
狭いところへと 玉を誘導します。
この ▲12銀不成 の捨て駒は
好手ですので ぜひ憶えましょう。
図:7手目▲12銀不成 14玉 25金
▲12銀不成を取らずに 上部へと逃げると
・△14玉には ▲25金
・△24玉にも ▲25金
・△34玉には ▲35金
いずれも 玉の上から
金で抑えて詰みになります。
図:7手目▲12銀不成 同玉 22金
前述の
▲12銀不成に 上部へ逃げて金打ちでも
▲12銀を △同玉で ▲22金でも
9手での詰みです。
つまり
【変化同手数 駒余らず】の 変同です。
最終の2手変同は 許容の範囲とされています。
どの手でも 正解なのですが 作意を汲んで
(作意を読み取って)
より美しい手順で 解答いたしましょう。
自分は 今回
▲12銀不成に △同玉 ▲22金が
美しい手順と考えて 記載しました。
初形図の一間龍から
▲32龍 〜 ▲12銀の
一連の手順が 素晴らしかったですね。
図:反転図
いつものように
反転図からの詰みにも取り組みましょう。
上図から
きちんと 違和感のなくなるまで
繰り返し
詰手順を観ながら 詰めて また初形に戻して
繰り返し動かして 憶えてください。
詰め手順:
31銀 23玉 32龍 同玉 21銀
23玉 12銀不成 同玉 22金
まで 9手詰
完全に憶えて 初形図の作図もできたら
いつもの通り 手番を手前として
この自玉から 詰めろを外してみましょう。
盤面を 反転図初形に 戻してください。
図:41金
41金に しっかり金を打って
これで詰めろが外れました。
【左片美濃囲い】になりました。
金と銀の連結が強く
とても良い囲いの1つです。
堅陣です。
実戦では
囲いの修復をしながら しっかり受けるのは
とても 良い受けになることが多いと思います。
今日の勉強は終わりです。
手順は 憶えるまで
繰り返してみて下さい。
一間龍と 銀の特性を
しっかり憶えて
実戦でもぜひ使えるように
お強い方は頭の中で動かして、全部の変化を憶えてください。
自玉の詰みの確認も お願いします。
そうして「詰めろ」を 外す手も
いろいろあるので
練習してみましょう。
例:41金 (左片美濃囲い・修復)
一例です : 憶えておいてください。
まだまだ 逃れる手があります。
お強い方はたくさん
詰めろを 外す手を探してみて下さい。
また一緒に勉強しましょう。
*用語に関連する過去記事
一間龍→待宵第22番
変化同手数駒余らず(変同)→待宵第24番、25番
局面作成
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より
ありがとうございます。