将棋の勉強・羅針盤 

 

局面の「形勢判断」③の続きです。

 


局面の形勢を判断する際には

 

 

1:駒の価値・駒の損得

 

2:玉の堅さ

 

3:手番(手番の重要性)

 

4:駒の効率



以上の4つをもとに考えてみます。

 
このうち 今 学習している事項は 上記1の

  


駒の損得勘定をしてみましょう



今回は



前回の記事の 最後に

宿題として 出題した問題の

解答・解説です。 


前回記事はこちらです



プロの実戦から

 

損得勘定・価値点数の

計算の練習をしてみましょう。


 

 

前回の宿題


 

将棋DB2https://shogidb2.com/ さんより


2019-06-04 


木村一基 九段 vs菅井竜也 七段 


第60期王位戦挑戦者決定リーグ紅組プレーオフ

 
棋譜リンクはこちら 



下記


谷川浩司九段書籍の指標です


羅針盤その②より 再掲:

 

飛:15点  → 龍:17点

 

角:13点  → 馬:15点

 

金:9点 

 

銀:8点  → 成銀:9点

 

桂:6点  → 成桂:10点

 

香:5点  → 成香:10点

 

歩:1点  → と金:12点

 

:200手目

rsn4-1

上図の局面での

▲先手 木村先生の

駒の損得を 計算してみるという宿題でした。
 
 
初見の方は 以下 読み進む前に

ぜひ 上記の指標をもとにして

計算してみてください。

 






【解答と解説】
 

 


 

F79313F9-5477-4F29-B1A7-950DB0C9B1F4



 

一緒に勘定して計算をやってみましょう。


▲先手 木村先生の駒の損得をみます。


*下記は自分の計算です。

 

 

 

歩:盤上:7枚 駒台:4枚=11枚  2枚駒得

 

香:盤上:2枚   損得なし

 

桂:盤上:0    駒台1枚  1枚駒損

 

銀:盤上:1枚  駒台1枚 損得なし

 

金:盤上:3枚   1枚 駒得

 

角:盤上:1枚     馬へ

 

飛:盤上:1枚 龍へ

 

  


△後手の成駒のチェックも 忘れずにします。

50C564E4-B806-4A25-A5D6-B23110B2175B


 

成香:1枚

 

成桂:1枚

 

龍:1枚




【先手(自分)駒の損得勘定】

ー【後手(相手)成駒の勘定】


 
上記の通りに 計算します。 

 

まず▲先手は

 

・歩2枚得 

・桂1枚損  

・金1枚得

・角が馬へ  →駒の損得なしで 成駒になった分の点数のみ勘定

・飛車が龍へ→上記と同じ

 


計算すると

 

【歩2点ー桂6点+金9点  +角が馬へ成った2点

+龍へ成った 加算2点】

 


=先手 プラス 9 点 です。



 

注意:

 

先手の飛が龍となった場合17-15=2点加算です


馬も同様 先手の駒 角が成ったので 15ー13点=2点加算です

 


*前回記事で 勉強したことの復習ですね。





 

次に△後手の成駒の計算です。



・成香 1枚  :枚数損得なしなので

成った分のポイントのみの加算で10ー5=5点 


・先手から 駒得した桂馬→成桂へ 1枚  10点


・飛車が龍へ  枚数損得なし 加算  2点



以上より


【成香へ加算5点+
成桂10点 +龍への加算2点】

 

=後手は プラス17点です。



 

注意:上記の「成桂ですが 

先手の駒が
後手に渡り

 

成駒になっているので加点  +10点を

 

つけました。

 

後手は「桂馬を1枚得して」 成桂を作ったと 解釈です

 

先手桂損です。

 その桂馬を活用され→
成桂を作られました。

 

 




以上より 合計は

 

▲先手9点―△後手17点=マイナス8点 先手の駒損

 

 


先後の差し引きは マイナス16点です。

 

 


▲先手:93-8=85点

 

△後手:93+8=101点

 


 

*将棋では 自分の損は 相手の得です。

 

=取った駒を再利用でき

取られた駒は 相手の戦力になります。

 

獲得と損益です。


成駒の価値も 重要です。


このシリーズでは 成駒も計算に入れています。

 




上記:皆さん合っていましたか。


途中の 加減などは

あくまでも 自分の計算の一例です。 


重要なのは

常日頃からこれを意識して 指す

計算の練習を 励行することです。




暗算できるようになりましょう。

 

  

 

*この対局では

200手目の局面でも

 

駒の損得がなんと  先手マイナス8点

 

先後の差し引きでも16点という


均衡が取れた将棋で 驚きます。

 



この 【差8点 】

差し引きで 16点を


大きいと取るか 微差と取るかですか。


 


*実際には この7手後に

先手の木村先生が勝利を収めました。



 

200手目の局面を

 

将棋神「やねうら王さん で検討すると

 
「評価値」という概念で 


+数千点  以上の差で 

先手が勝勢です。

 


ソフトでは

先手の 勝利寸前の局面と判定されました。

 

 

 

駒の損得以外の要因があっての

この「評価値」差
ですね。

 

 

例えば「手番」です。

 


最終盤で最も大切と言われる
手番

 

200手目は先手の手番です。




* 指す権利の【手番】を入れ替え


ソフトの評価値 で観てみますと

 

→ 後手が優勢に 振れます。

 

実際は 2手連続では指せないのですが


 

仮に手番を入れ替えると

上図は 形勢逆転となります。




 

「終盤では手番が重要」




*手番 という言葉には

【手を 指す権利がある方】という事のほかに


・ある局面で 

攻める、または準備をする手を指す

もしくは 守るなど 

自分がしたい通りの手を 選ぶことができる権利のこと


を意味して 使われることが よくあります。


テレビやネット配信番組の解説などで

先手が 次に指す番なのに 後手に手番がある、と

言っているのを  観たことがあるかも知れません。


そういう時には 局面の情勢・進行内容を指して

【手番】という言葉が使われています。


終盤に使われることが多いですね。



 

 

仮想図:後手陣53桂を追加した図


57BC3222-3F98-4257-B29E-B6DF813B6DCF


 

上図 は 200手の局面に

手番(次に指す権利)は
先手のままで

 

後手陣に  53桂と 配置駒を追加した図です。 


53に 桂馬が配置されたことにより

先手の 44の馬のラインを

 

後手が受けて  遮断した格好になりました。

 


この 桂1枚 で  
後手陣を堅くすると

 

一気に評価値が変化して

ここからまだまだ  難しい評価値で局面
となります。

 

 

 

 数千点以上 先手に振れていた差が

いっきに  消えて

 

必勝の局面ではなくなります。

 

 
この 仮想図と 200手目の局面を比べて

わかることは


「玉の堅さが重要」


「駒の効率が重要」
 



序盤・中盤では 

駒の損得
を充分に注意しながら指して 形勢微差

 


終盤で 仮想図より

 

陣形=後手に53の桂馬を追加配置


玉の堅さで見れば  後手の陣形は堅くなりました。


また  
44馬の利きがとても優れていましたが

 

これも 53の桂馬で 利きを遮断されました。



=駒の効率が悪くなりました。



馬が 寄せへの 重要な貢献をしている駒でした。



この馬の利きを遮られると

局面の様相が 変わります。


 
 

これらの総合要素を踏まえて 

実際の対局では 先手必勝
 となるのでした。

 

 

ほんの少し1つの要素でも変わると

たちまち 形勢は逆転してしまいます。

 



AI またはソフトがPCでお手元にあると

 

自分一人でも

いろいろ検討や 研究 調べものに使えます。

 

人によって


AI・人工知能 の使い方はいろいろでしょう。

 

自分も様々な観点から 模索しながら

勉強・研究に 運用しています。




*最終盤は特に 緩手は1手も指せない 


= 当たり前のことを書きました。

 


 

 

 

200手を超える将棋でも プロの将棋は

 

一手で違いますし 


ましてや 


アマチュアでは  常に逆転要素がある


スリリングなゲームが 将棋です。

 

 




 


今日の勉強はここまでです。

 

 

また一緒に勉強しましょう。



*玉の堅さや 手番

駒の効率については

また 別記事で詳しく 取り上げます。


記事内容の性質上 今回は簡単に書きました。


「続く」

 

局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

 

ありがとうございます。