将棋の勉強・羅針盤④

投了図周辺から学ぶ 



 

今回の記事は

 

お強い方   向けではありません。

級位者の方向けに

プロ先生の 実戦の 


投了図  周辺の変化などについて

 


研究・
学習用 に書いてみます。



大変でもぜひ盤駒で並べてみてください。

*持ち時間がない 

 

または 時間の切迫した将棋ばかりでは

適切な 最終盤の学習ができません。

 


時には

適切に考える時間をつくり

「じっくり」


学習  研究・勉強することも 必要です。

 


脱初学となってきましたら


寄せの学習には

詰将棋以外の 寄せのための書籍も

取り入れるのが良いと思います。



必至(必死)問題についても


【詰将棋並べ】 の記事同様詳しく


1問1問   必至古典作品などで


書いてみたいと考えています。

 

*以下ではプロの実戦の最終盤から


豊島名人の寄せ を

具体的に学習していきましょう。


「詰将棋並べ」  と同じく

なるべく詳しく  丁寧に みていきます。






【詰将棋と寄せ・手筋】

 


*上級者・有段者にはこの記事は不要です(^^) 


級位者で寄せに ご興味ある方へ


ぜひ 盤駒を出して 勉強してみて下さい。

 


将棋DB2さんより

 

2019-07-12 


王座戦羽生善治九段 vs豊島将之 名人 


第67期王座戦挑戦者決定トーナメント

 

 
棋譜はこちら 


 


 

「豊島名人の指し手・寄せ」



 

【テーマ】


 

焦点への銀捨て


 

*投了図周辺の必至・詰み


 


見やすいよう 手前へ 

便宜上 先後を逆にしています。

 

=後手番  豊島名人から観た図です。

 





テーマ図:
107手目▲39銀まで



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羽生九段が

▲39銀と受けた図です。


このテーマ図を並べて 配置してください。

 

ここでの豊島名人の指し手


決め手は明快でした。

 

 


:△17銀


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過去記事 詰将棋並べ㊱ 待宵第25番

 

でも   端へ銀を捨てる手がでました。


*待宵25番も復習しておいてください。

 

詰将棋の「手筋」を憶えておくと

実戦で 良いこと
がたくさんあります

これもその一例ですね。


手筋良い手の習得の積み重ねです。

 

上図

 

17銀は 焦点への銀捨て

 

といいます。

 

たくさんの駒が利いている地点(焦点)

 
に あえて駒を捨てる。

 

ここでの 17の地点は

玉・桂・香の 3枚が利いているところです

 

この手筋は 知らないと 指せない手です。

なかなか 勇気が要りますし


打ちにくい です。

 

 

 

このテーマ図を見た時に

 


この銀捨てが

直ぐに
浮かび  実際の対局でも

打てるようになると良いですね。



 

*テーマ図で

 

確認しておかなければならない点があります。

 

 

豊島名人の玉は詰まない」



 

 

ということです。




豊島名人の 玉の詰み 安全度 について

観て
ください。

 

堅陣です。

王手はかかりますが 直ぐには 詰みません。

 

相手の羽生九段に

金・銀を渡しても テーマ図は詰まないのです。

 


従って名人は  図で 
駒を渡す手を指しても

 

相手玉を寄せてしまえば勝ちです。


 

ここで直ぐに 羽生九段の 詰みがなくても

必至(ひっし)をかければ豊島名人の
勝ちです。

 

(必至:どう応対しても 次に必ず詰む状態) 

 


*豊島名人の玉は 
詰まないので勝ちです。

 

 

 

*繰り返しになりますが


必至については別の機会に

定義なども含めて

実際の図などを例に用いて

記事として書いてみます。

  

 
では △17銀以下の変化をみていきます。
 

 

 

:△17銀 同玉 39龍


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△17銀には


 

①▲同玉

 

②▲同桂

 

③▲同香

 


の応接があります。

 


それぞれ みていきましょう。



 

①同玉



上図は 

 

△17銀の好手に 

▲同玉から△39龍の図です。

 


17銀を同玉とすると

39の銀は 龍で取られてしまい

 

しかもこの39龍は 詰めろです。

 

(詰めろ:対応をしなければ次に詰む状態) 




せっかく テーマ図で


▲39銀と受けたのですが


この銀を 龍で取られ 外されては 


羽生九段の玉は

上下から挟まれた状態になってしまい

 


後は 詰まされるまで

一手一手です =後の受けがないという意味です。

 

 


*局面をテーマ図に戻して


△17銀と打ってください。


 

②同桂

 

 

:△17銀 同桂



rsn4-




 

次は△17銀に ▲同桂とした図です。

 

上図を調べましょう。

 

この同桂は  実は  詰んでしまいます。

 
上図から 「即詰み」があります。 



 

 

:△17銀 同桂 37金

 

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37金とした図です

 

これを一間龍(いっけんりゅう)といいます。

 

同香とは取れません。

 

詰将棋に頻出の手筋ですね。

 

 

 

 

 

:△17銀 同桂 37金 ▲29玉 38龍 

 

  同銀 28金打

 

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△37金の一間龍を ▲29玉としても

 

△38龍が簡明で ▲同銀に 

△28金打まで 詰みです。

 

 
*一間龍の △37金まで

少し 局面を戻してください。

 

 

:△37金 ▲18玉 38龍 同銀 28金打

 

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△17銀 同桂 37金 

▲18玉としても

 

やはり △38龍が好手です。

 

▲同銀には △28金打まで 上図です。

 

同銀とせずに 28へ合駒しても

 

△27金で 詰みです。→これも一間龍の形ですね。

 

したがって ここでは


 

③同香が最善の粘りです。

 

*局面を テーマ図に戻してください。

 

:△17銀 同香 37金

 

 

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前述の ①同玉・②同桂が良くなかったので

 

最後に △17銀に▲同香を調べて

終わりにします。



この粘りをうまく寄せましょう。



 

△17銀 ▲同香 △37金

 

実戦では ここで

羽生九段は投了されたのですが

 

この後を調べてみます。

 


△37金を 

 


・▲19玉なら

△18銀 ▲同玉 △38龍 ▲同銀 △28金打で詰み

 

 

・▲18玉は 

△38龍 ▲同銀 △28金打で 同様に詰みです。

 


盤駒でお確かめくださいね。

 

 
*局面を テーマ図に戻してください。


最後に△37金に ▲同桂をみてみます。
 

 

:△17銀 ▲同香 △37金 ▲同桂


 

  19銀

 

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△37金は 取らないと詰みなので

 

▲同桂としました。

 


ここで 良い手があります。

 

 

上図の  △19銀です。 

 


この銀は ▲同玉と取ると △39龍で


一間龍となり

 

豊島名人の駒台に金があるので 

28に打って 詰みです

 

 

:△19銀 ▲29玉 △18金

 

 
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というわけで  19銀のは取れません。 

▲29玉と逃げますが


 

△18金



ここへ 金を捨てます。

 


この好手は ぜひ並べて憶えてくださいね。

 

 

 

:△18金 ▲同玉 △39龍 ▲29銀

 

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△18金は ▲同玉の1手ですが

 

△39龍と銀を取って

 

ここで 「必至」 がかかりました。

 
羽生先生は どう 受けても

次に 詰んでしまう状態にあります。 


この時  手番は相手側の

羽生先生にあるので

ここで 羽生先生が  豊島名人に

王手をかけて そのまま詰ませば

羽生先生の勝ちになりますが 

 

*豊島名人の玉に 詰みがありません。

 


なので 羽生先生は 自玉が詰まないように

ここで受けるしかないのですが

必至がかかっていますから

28の地点を受けようと
しても

 

なんとしても 詰んでしまいます。

 

 

▲29金の受けは△同龍で▲同玉に

△28金で詰みです。

 

 

*上図は ▲29銀と受けた図です

 

それでも詰みがあります。

 

 
みていきましょう。
 

△19銀の局面まで 盤面を戻してください。
 

 

:△19銀 29玉 18金 同玉 39龍

 

 ▲29銀 同龍 同玉 28銀打 18玉 29銀打

 

 

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上記の手順で詰みです。

 

上図:詰上がり図

 

 
*銀の 符号【打】に 気をつけてくださいね。

 
この符号表記に不安のある方は

過去記事 符号のおはなし⑨ を参照ください。
 

 

【まとめ】

 


テーマ図で 焦点の銀 


△17銀が素晴らしい 好手です。

 


▲同玉=39龍と銀を取って受けがありません

 

▲同桂=詰んでしまいます

 

▲同香=△19銀以下 必至がかかり

豊島名人の玉に詰みがないため 名人の勝ちです。

 




 

 

今日の勉強はここまでです。

 

 

また一緒に勉強しましょう。

 


【用語に関連する過去記事】


一間龍→ 待宵第22番



局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より

 

 

 

ありがとうございます。