今日の「詰将棋並べ」
勉強の準備は良いですか。
初めてのかたは 過去記事(ブログ内リンクです)
【詰将棋並べとは?】
【ぴよ将棋さんの盤駒使用方法・使用例記事】
をご参照ください。
ご自宅で盤駒があれば
ぜひ 駒をお手に取って
じっくり並べてみてください。
今回も
江戸時代の名作から勉強です。
この 待宵は
全部で50問収載されています。
だんだん 進んできています。
今回は 7手詰で易しいものです。
渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から。
「江戸慶応」の時代の詰将棋です。
他の待宵からも取り上げていますので
ご興味のある方は
【待宵カテゴリ】から 観てみてください。
今回は
「待宵 第25番」 です。
図:初形
詰め手順:
93銀 同玉 85桂 84玉 75銀
85玉 86金 まで 7手詰
上記が 作意手順と思われます。
繰り返し並べて
いつものように憶えてください。
図:詰上がり図
詰めたら 今度は 詰上がり図から
初形に戻してみて できたら
また詰ませて を
繰り返してください。
大丈夫なら 以下に進んで
解説を読みながら 並べてください。
【学習・研究】
今回のテーマは
銀の初手での捨て方
です。
この作品は 実戦の終盤図に
頻出しそうです。
手順などを
完全に 憶えておいたほうが良いと思います。
【初手の研究】
作意手順の初手は 93銀ですが
その他の初手 71銀 を観ていきます。
初手は 93銀以外だと
玉方が正しく応接すると
詰みません。
なぜ うまくいかないか を
観てみましょう。
図:初手 71銀
上図は 71銀と王手したところです
よく出てくる筋の手です。
図:初手71銀 同玉
初手 71銀に同玉(上図)なら
72金と打てば詰みです。
玉方の 正しい応接は
図:初手71銀 93玉
端(9筋)が広いので
93玉と上がれば
詰まないように思えますが
これは危険でした。
図:初手 71銀 93玉 85桂
84玉 75銀 85玉 86金 まで
初手 71銀を
「同玉」は 72金まで 詰み
「93玉」は 上図で示した 手順で詰みです。
71銀には
どう応接するのが 玉方の最善でしょうか
図:初手71銀 92玉
71銀には
92玉とするのが好手です。
図:初手71銀 92玉 82金 93玉
92玉には 82金と王手してみますが
93玉と上がられてみると
駒が足らず に詰みません。
=85桂でも 84玉とされて
駒が足りません。
盤駒で確かめてください。
図:初手71銀 92玉 81銀
初手の 71銀に 92玉は
3手目82金とすると
93玉で 届きませんでした。
今度は 3手目 81銀として
追ってみます(上図)。
図:初手71銀 92玉 81銀
93玉 82銀不成 84玉
84玉までで 詰みません。
上図から
75金にも 95玉と上がられて
詰みません。
もし 初形の攻め方の配置に
96歩があれば詰んでいますが
あいにくこの図式にはありません。
*じっくりした読みが必要です。
初手「71銀」は
「92玉」で
詰まないことがわかりました。
その他の初手には
「72金」がありますが
初手で 72へ金を打ち
持ち駒から手放してしまうと
同じように 92玉とされて
銀 2枚 桂馬1枚では詰みません。
ご確認をお願いします。
盤面を 初形に 戻してください。
図:作意手 初手 93銀
作意手順(作者の 意図する手順)では
「93銀」 と
初手で ここに銀を捨てます。
学んだことがないと
指せない手がでてきました。
しっかり憶えておきましょう。
この手を知るだけで 脱初心者です。
*この93銀は 以下で
どのように応じても
詰みがあります。
図:初手93銀 同香
93銀に 同香は
図:初手93銀 同香 71銀
この71銀 先ほど出てきましたが
93の地点に香がいるときは
特に 有効ですね。
図:3手目71銀 91玉 82金
71銀を 同玉なら 72金まで詰み
91玉にも
82金で詰みです(上図)。
図:初手93銀 同玉 85桂
したがって 初手 93銀の絶妙手には
同玉よりありません。
そこへ 85桂も好手です。
*93銀に 81玉は 82金で詰みです
図:初手93銀 同玉 85桂 84玉 75銀
95玉 86金
85桂に
92や82へ 玉を下へ逃げると
持ち駒に 金と銀がありますから
打っていけば 詰みです。
盤駒でやってみてください。
*上図の手順では
最後に 95玉と変化しても
最終手 86金と
作意手順と同じ手数での
駒余らずの 変同です。
最終の 2手 変同が許容なのは
前から
「詰将棋並べ」で書いている通りです。
作意手順はなるべく
美しい手順・型で記載する
解答するのが 良い事も 前に述べました。
* ここは 75銀には
「85玉」と 桂馬を取りながらが
作意と思います。
図:反転図
毎回やっている 反転図からの詰みです。
この玉を自玉と想定して
詰みがあることを確認しながら
反転図からの 読みに
強くなりましょう。
詰め手順:
93銀 同玉 85桂 84玉 75銀
85玉 86金 まで 7手詰
いかがですか?
できるように なりましたでしょうか。
上図で 自玉の詰みができるようになって
確認できたら
いつものように 手前を手番として
詰めろを 外してみましょう。
図:95歩
端の歩を 1つ 伸ばしました。
94の地点を広げた手です。
これで 詰みません。
93銀にも 同玉 85桂に
「94玉」とすると
有効な 王手が 続きません。
ほかの手も 観てみます。
図:81桂
81桂:端に 駒の利きを足しました。
93銀にも 以下
図:93銀 同玉 85桂 92玉
最後に 92玉とするのが良い手で
攻め方は 駒が足りずに 詰みません。
*注意 92玉でなく 82玉としてしまうと
71銀から
あと金1枚 攻め方の持ち駒にあって
詰まされてしまいます。
85桂に 92玉を
忘れないようにお願いします。
もう一つ 観てみます。
図:81金
金を手放すのは
終盤で もったいない局面も
あるかもしれませんが
玉の安定には これが手堅い受けです。
▲93銀には
同香と 取ってしまおうという手です。
71銀にも 同金とできますから
しっかり受けが利いていて
詰みません。
*状況に応じて
どの受けが良いか 選択してください。
今日の勉強は終わりです。
手順を憶えるまで 繰り返してみて下さい。
お強い方は頭の中で動かして、
全部の変化を憶えてください。
自玉の詰みの 確認も
いつも通り お願いします。
そうして「詰めろ」を
外す手もいろいろあるので
やってみて練習しましょう。
*例:
・95歩 (94へ逃げ道を作り玉を広くする)
・81桂 (93へ利きを足す)
・81金 (しっかり がっちり受けてしまう・ただし金を手放す)
例を挙げました。
局面 状況に応じてご選択下さい。
まだまだ 逃れる手がたくさんあります。
お強い方は
たくさんの手を探してみてください。
また一緒に勉強しましょう。
*用語に関連する過去記事
・変同(変化同手数駒余らず)→待宵第24番
・作意手順→待宵後集 第5番
局面作成
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より
ありがとうございます。