今日の「詰将棋並べ」
勉強の準備は良いですか?
初めての方は 過去記事
【ぴよ将棋さん】の盤駒使用例
を ご参照ください。
お手元に 盤駒あれば
実際に「じっくり」
一手ずつ 手で並べるのが良いですね。
江戸時代の名作から勉強です。
渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から
「江戸慶応」の時代の作品です。
待宵について
ご興味ある方は【待宵カテゴリ】を
ご覧くださると嬉しいです。
ひとつひとつ 出来る限り 解説を書いています。
今回は
「待宵 第29番」 です
【学習のテーマ】
・数の攻めと 玉方の応手
・焦点への 龍捨て
・吊るし桂
図:初形
詰め手順:
33銀 12玉 13龍 同玉 22銀打
12玉 21銀不成 同玉 32と 12玉
22と 13玉 25桂 まで 13手詰
上記の作意手順を 観ながら
盤上で繰り返し並べて 手順を憶えてください。
初形の局面に戻して
また詰ませて 、を
何度も 練習してみてください。
しっかり記憶に定着させましょう。
単純に詰ます というだけでなく
含まれる手順から「手筋」も習得しましょう。
将棋を指す 様々な 局面で 役立つと思います。
図:詰上がり図
途中
意外だと思う手も 全部を手順 として
憶えてみてください。
以下で
なるべく詳しく解説してみます。
初形図も 詰め手順も 充分
反復できましたか?
OKなら 下へ進んでくださいね。
ここから
解説を観ながら 学習をお願いします。
【学習・研究】
解説の 内容は
大体 3手詰が解ける人向けに 出来るだけですが
一生懸命 書いています。
しかし 並べて 学習するといえど
手数が長かったり 専門用語も少し出てきますから
初めは少し 大変かも知れませんね。
やや難しいと感じる方は
過去記事で 5手詰などもあるので
そちらから まずは 読んでみてください。
1手ずつ
丁寧に 学習していきましょう。
ゆっくり練習すれば 2桁の手数の詰将棋から
素晴らしい 詰め手筋や 読む力の養成など
様々が 学べます。
「短手数には ない妙味があります」
全体の流れがつかめることも 重要です。
並べて味わっていってください。
ここで 読みのトレーニングをしておいて
お手元の書籍では 自力で 解く
解答スピードなどを 測る
などで 実戦練習もお願いします。
ここでは 腰を落としてじっくり学習です。
【初手からの研究】
図:33銀
初手は
数の攻め 足し算で
33の地点へ 持ち駒を投入して王手です。
*33の地点への 駒の利きを数える練習は
【将棋の勉強・羅針盤】①(記事リンク)を参照ください。
詳しく 書いてあります。
では 利きの確認です。
攻め方:2枚 (と金・龍)
+手番なので 駒台の銀をプラスで=3枚
玉方:2枚(桂馬・玉)
よって 攻め方の方が利きが多く
精算すると
最後に攻め方の駒が残りますね。
攻めが成功します。
全部清算すると どうなるか
観てみましょう。
図:初手33銀 同桂
33の地点で 駒のやりとりが続きます。
図:初手 33銀 同桂 同と
31玉 32銀 まで
33の地点は
攻め方の 利きの枚数が多いため
玉方が素直に精算してくれるなら
上図の手順で詰みです。
手順の途中:
4手目31玉ではなく 21玉や12玉も
23龍から 詰みです。
(盤駒で ご確認をお願いします )
【数の攻め 玉方の対応】
33の地点で 玉方も 清算に応じてくれると
早く 詰むことがわかりました。
しかし 玉方は 【最善の頑張り】で 応対してきます。
*【最善の頑張り】 とは
この場合は 何を指すでしょうか。
2手目を同桂と取る手から読んでいきますが
それで 早く詰んでしまうときには
→「取らない手も しっかり読む」
初手 33銀を
2手目玉方は「同桂馬」と取ってしまうと
早く詰むので
玉方は 銀を 取らずに 玉を 逃げる手が 最善です。
図:初手 33銀 12玉
12玉と逃げます。
図:3手目 13銀
2手目12玉には
13銀と 普通に打っていきました。
これはどうでしょうか?
詰みには 足りない予感です。
13の地点は 利きが
双方2枚 で同じです。
観て行きましょう。
図:初手から
33銀 12玉 13銀 同桂 同龍 同玉
25桂 12玉
詰みまで あと少しですが 攻めが届きません。
玉方の 最後 12玉 が好手です。
上図 これ以上の王手がかかりません。
図:初手33銀 12玉 23龍
こんどは 3手目23龍と 王手しても
図:3手目23龍 同玉 24銀 34玉 44と
25玉
上図
25玉と 上部へ脱出されてしまいます。
*「王手は追う手」の典型でこれはまずいです。
初形から33銀 12玉の局面に戻します。
図:2手目 12玉
もどって 12玉
ここがポイントです。
端に玉がある(=端玉)ので
詰まないようにも観えますが・・・
【焦点への 龍捨て】
図:3手目 13龍
13へ 龍を捨てます。
これは 知らないと指せない手です。
*焦点とは:
駒の利きが
複数あるところ 地点 の事です。
上図では 13の地点に 桂馬と玉が利いています。
ここへ 攻め方の龍という強い駒を捨てるので
一瞬 不安がありますか。
飛車を渡すので 実戦心理では
指しにくい手だと 思う方も
おられると思います。
この手を憶えるための 作品ともいえる
好手です。
さて
13龍は 玉方の桂馬 と 玉が
利いているところなので
両方 応手を研究してみましょう。
【13龍への 玉方の対応の研究】
図:3手目13龍 同桂
まず 同桂から観ていきます。
図:3手目13龍 同桂 21銀
同桂馬には
21銀が好手で うまい手です。
13龍を同桂としたため
玉が上に逃げられません。
図:5手目21銀 同玉
32と 12玉 22銀成(22と)
21銀の好手で
2筋に 玉を呼び込みます。
最終手は
1:と金 を横へ すり寄っていっても
2:最後に銀を成っても詰みです。
(最終手余詰)ですね。
*以前に 学習済の事項です。
=最終手余詰 をマスターしてください。
次は 3手目13龍に
同玉を調べます。
図:3手目13龍 同玉
図:5手目22銀打 12玉
同玉に 続けて 王手をするなら
持ち駒の銀を 22に打ちますが
問題の解答として書く場合は
この場合必ず 符号では「打」と記載してください。
→盤上 33の銀と 区別をするためです。
22銀打には 12玉とされましたが
図:失敗図 7手目 11銀成
次で 11に銀を成ってしまうと
香が手に入りますが
上図で 43に居る 【と金】が
玉から遠く 詰みません。
これは失敗です。
図:7手目 21銀不成
12玉には 「21銀不成」と
あえて 銀を成らずに
こちらから迫るのが 良い手です。
攻め方は 桂馬を入手できました。
続けて 観てみます。
図:7手目 21銀不成 同玉 32と 12玉
22と 13玉 25桂 (詰上がり図)
と金が 働いてきました。
*11手目 22と のところで
22銀成だと 24玉へ 逃げられて失敗します。
注意が必要です。
詰上がり図をみると
33の銀が
24の地点への 玉の脱出を防いでいます。
最終手は 13へと逃げた玉に
25桂で 詰み上がりです。
*詰み上がりで 桂馬を用いることを
「吊るし桂 (つるしけい)」
と呼びます。
最後はきれいに「吊るし桂」で詰ます手順
桂馬の特性が活かされて 印象的です。
図:反転図
反転図の詰めです
いつものように この図からも
詰ませられるように
練習を 繰り返しましょう。
違和感がなくなるまでお願いします。
詰め手順:
33銀 12玉 13龍 同玉 22銀打
12玉 21銀不成 同玉 32と 12玉
22と 13玉 25桂 まで 13手詰
反転図では
手前の玉を 自玉として考えるのでしたね。
では 自玉に 詰みがあるので
手番を手前として
この詰めろを 外してみましょう。
図:24歩
【攻めの拠点 24の龍】
24歩として
重要な 拠点の 龍を取り
これで 詰めろが外れました。
実戦での注意点は
龍を取っても
相手の持ち駒次第では
ここから 詰まされる危険もあります。
上図で もし 相手の持ち駒に 金や角があれば
ここから 詰んでしまいそうです。
たられば はありませんが
そのくらい慎重に読む練習も必要です。
読みの浅さによる 頓死が心配です。
日頃の練習で 克服していきましょう。
では 24歩として 本当に
詰めろが外れたのか 観てみます。
反転図 初形に 局面を戻してください。
【自玉の安全度の点検】
図:24歩 31銀 23玉
32銀 34玉
上図
24歩と龍を取れば
相手の持ち駒が 銀2枚では
どんどん上に逃げていくと
詰みません。
もう一つ 詰めろを外す手を あげてみます。
図:32歩
32歩です。
これは 相手に 初手33銀と打たせない手です。
この手でも 詰みません。
今日の勉強は終わりです。
ありがとうございました。
色々 示しました。
手順を憶えるまで 繰り返してみて下さい。
お強い方は頭の中で動かして、
全部の変化を憶えてください。
自玉の詰みの 確認も
いつも通り お願いします。
そうして「詰めろ」を 外す手も
いろいろあるので
やってみて練習しましょう。
*例:24歩(拠点の龍を取り払ってしまう手)
32歩 (33銀の王手を防ぐ手)
(=敵の打ちたいところ33の地点をあらかじめ防ぐ手)
まだまだ 逃れる手があります。
例でした。
また一緒に勉強しましょう。
* 用語関連の過去記事
最終手余詰→待宵第21番
局面作成