今日の「詰将棋並べ」


勉強の準備は良いですか?

 

初めての方は

過去記事「詰将棋並べとは?」

まずご参照くださいね。

 

 



明治時代の名作から勉強してみましょう。

 


明治2年 渡瀬荘次郎著 「待宵後集」
から。



 

「待宵後集 第番」 

 



注:同じ作家でも

 
待宵待宵後集」は

 

別の時期に発行された それぞれ別の書物です。

 


今回は 
待宵後集です。
 

これも大変有名な作品です。

観たことがある方も おられますか?

 

 

今回は 実戦型詰将棋ではありません。

 

 

実戦型詰将棋 Wikipediaさんより

 



お手元に 盤と駒があれば ご用意くださいね。

 

下記の 記事通りに 並べながら 学習しましょう。
 


では さっそく 観てみます。









:初形

 


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詰め手順:

 

15飛 23玉 35桂 24玉 42角成 34玉

 

44角成 同玉 43桂成 54玉 53馬まで

 

11手詰 

 


*盤上の駒も少なく 持ち駒も2枚

 

きれいで簡素な図式ですね。

 

ゆっくりで大丈夫です。

繰り返し 盤の上で 手順通りに

駒を動かしてみてください。

 

 

:詰上がり図


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詰将棋並べでは

【考えて詰ます】という事をしないので

 


書いてある手順をみて

並べて 憶えてください。

 

手筋を憶えるように学習していきます。

 





【学習・研究】

 

上記でお示しした手順を

作者の創作した【作意】 手順と言います。



*作意 とは何かについては


TETSUさんのサイト 詰将棋おもちゃ箱さんの

下記のリンク

将棋と詰め将棋(詰将棋)内の

詰め将棋のルール

2)創作する時の注意



をご参照ください。 わかりやすく書かれています。


書籍の解説などでも よく 出てくる用語です。


用語の理解は 正確に しておきたいですね。




では 

初手の研究からです。

 

 

:初手  15飛



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持ち駒の 桂馬で

初手で王手をするには

 

25桂ですが

 

仮に 玉方が24玉と逃げてくれるなら

 

33角成 25玉 26飛 

14玉 24馬までの7手詰です。

 



しかし 25桂馬の初手には 

14玉で  詰みません。

 



その後13飛と追っても 

25玉と 桂馬を取ってしまえば

 

詰みません。

 



*したがって 初手は飛車ですね。


では どこに打ちましょうか?

 

 


上図のように

15飛と 玉から一段離して打つのが良い手です。

 




どうして15 へ飛車 なのかを

以下
調べていきましょう。

 




玉から離して王手をする際

・逃げられ 詰まないのでは? 



・どこへ離して打つのか ?


・合駒をされるのでは?


などの違和感 不安を感じることは 自然です。


その不安を取り除くためには


丁寧に 考えられる  玉方の 変化や

合駒などを 全て  並べて 詰むかどうかを調べ

全部の不安が解消されると
良いのです


 

 

1問につき それらの 全部を

説明している詰将棋の書籍は 少ないですね。



解りますよね?が前提で

解説されているようもみえ


初学では  理解が難しいです。



限られた スペースや


ページ数 だからなのかもとも思います。



* どの趣味の世界も 同じ そんな気もします。。

 

 


この辺りが  初学から 一段ずつの


レベルアップには 鬼門だと思います。

 


途中で わからなくなって 諦めると 

苦手意識も 生まれてしまいます。



苦手だから面倒だからと


詰将棋は不要と

突き放すようでは もったいないです。



この 詰将棋並べ  記事で ゆっくり

時間をかけて トレーニングをして


全部の変化等の手筋を

丸ごと  憶えていきましょう。


トレーニングの 成果により


詰将棋の楽しさを 感じて頂けると思います。



できる限り 詳しく 書いていきます。 

 

観た瞬間 手順が浮かぶまで繰り返してください。

 
 


初手の研究を続けます。 

 


:初手 15飛 に 合駒(ここでは14歩)



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14歩と合駒してきた図です。

 

14の地点には 何の合駒が良いのか?

 


ですが 

心配なら 全部を調べてみましょう。

 

 

 

14歩(合駒)31角成



35A32577-6690-4DA5-AC50-A1FFA316E715



 

2枚の角のラインを活かして

 

31角成が良い手です。

 

 



:3手目31角成 24玉



44B2AFC9-9665-49F5-A046-9093FE07C6FA



 

31角成には 24玉と

飛車取りの目的で 上に逃げてきました。

 


ここは焦らずに

 

 

:5手目 42馬



EB3431F1-C89D-48E1-9571-B5A54C41D66A



 

42馬は 15の地点まで馬の利きが通り

 

飛車取りも防いでいます。

 


飛車がいるため 35玉ともできません。

 

 

:5手目 42馬 13玉 25桂馬


40B499F0-B8F5-4A93-AAC9-F60DEDCDA8F2

 

25桂馬は 飛車と玉に 

合駒が挟まった状態で

 

良く出てくる桂です。憶えておきましょう。

 


*この図では 合駒を歩にしていますが

この桂馬が取れる  合駒 どれを選択しても

(金、銀、角などの斜めで桂馬が取れる駒)

15の 飛車が 1筋の縦に 玉へ 利いていて 

合駒では  25の 桂馬を取れませんね。




 

 



:7手目25桂 12玉 14飛


5AB5EAD2-023E-4C87-B055-F0B211384D0A




25桂に 12玉と

下がって逃げました。

 


14飛と 追撃していきます。

 

 

 


:9手目14飛 23玉 13桂成

 


70BFDE01-E534-4245-B9C8-3221DCADE2D6



 

23玉と逃げるのは 23桂成まで

駒余りの詰みです。

 



 

 

:9手目14飛 21玉 33桂不成

 


97D81F48-5412-49C4-B27C-BE03C05B9B9A



 

14飛で 21玉と逃げても 


33桂不成

 


が良い手で
 上図で 詰んでいます。

 


ご確認をお願いします。

 

 

*7手目 25桂まで戻ります。

 



:7手目 25桂の図

 


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:7手目 25桂 23玉 33馬


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25桂に 23玉も 

33馬から追って

 

 

 

12玉 22角成



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12玉に 22角成で 詰みです。



その他  初手 15飛   14歩 に 


3手目で「いきなり25桂」でも詰みます。




*15飛  14歩 25桂 12玉 14飛 

23玉  13飛成(13飛不成でも=非限定)


34玉 44角右成 25玉 35馬 

まで11手
  駒余り



3手目25桂に 23玉も
 


33角成 12玉 14飛 21玉 11飛成 

まで早詰み 駒余り 



*25桂に 24玉は 33角成の1手詰




 

 

結論:作意手順以外にも詰みがあります。



 

初手 15飛に 14への合駒は  上記手順で 別詰み


 

14に合駒をすると 【変化別詰】 



1番始めに示した手順でも   この合駒の手順 


全部を 憶えてください。



 

*用語です スルーしても構いません。

 

 





:初手15飛 に 23玉

 

 

9682BE3B-623D-461D-B581-6DC4E895BCF7



 

初手の15飛に 「23玉」



を調べていきます

 



作意手順 初手からみていきます。

 

 

:初手15飛 23玉 35桂 24玉

 

3016D669-AA32-4BEF-8288-B4B4E4516E97

 

上図までが 作者の意図した作意の


攻防です。

 


盤駒でぜひ 並べてみてください。

 


24玉と 上がってきました。

 


:24玉 42角成 



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この 42角成が素晴らしい手です。

 

しかも初手に放った 15飛の効果で

 

35の桂馬には 紐(ひも)がついています。



→飛車の横の【利き 】があって

玉方は 桂馬を取ることができません。 


 

*これが初手を 15飛  とした意味です。

 



もし 初手


16飛 など
だったら

 


ここで
35玉と

紐がついていない  
桂馬取られて

上部へと 脱出されてしまいます。

 

 



:6手目 34玉


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42の馬 と

 

11の地点の角のライン(利き)もあって

 

玉の逃げ場所は

34玉の1手です
(上図)

 



玉方は次に 45玉の

上部脱出を狙っています。 

 


ここで45に逃がしたら 捕まりません。

 

 

:7手目  44角成


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44角成とここへ角を成捨てます。

 

絶妙手がでました。

 

素晴らしい手です。

この馬は 取るしかありませんね。 

 

 

:7手目44角成 同玉 43桂成


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44角成は 同玉の1手です

 

そこで 43桂成と 


飛車の横利きを

 

通しながら王手をします。

 


15からの 飛車の横利きが素晴らしく

 


上図からは  次に54玉と逃げるのですが

 


最終手
53馬とすれば詰みです。

 

 

 
盤面を 初形に 戻してください。 




:初手から15飛 23玉 35桂 34玉





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3手目35桂に 

24
玉ではなく 34玉なら?

 

 

 


:34玉 44角右成 24玉 42角成


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の角=11の地点の角が 44へと成って

 


24玉に 42角成で
 

 


早く
詰んでいます。



7手です。

 

 

よくみると  玉の逃げ場がありません。

 


詰みです。

 


盤上で 確認してくださいね。

 






:反転図



EB7FA484-545E-4597-BA7D-3A57523513DD



 

いつものように

反転図からの 自玉の詰みの確認です。

 



反転図は必ず

詰ませられるように  手順をみて練習しましょう。

 


詰め手順:

 

15飛 23玉 35桂 24玉 42角成 34玉

 

44角成 同玉 43桂成 54玉 53馬まで

 

11手詰 

 



違和感がなくなるまで 並べて


反転図からも

 

手前の玉を 詰ましましょう。

 




では  いつものように

 

手前に手番があるとして

 


詰みがあるので これを外してみましょう。

 

 



:反転図初形から 14歩は?



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14歩は 

15飛と 王手される手を 事前に防いだ手ですが


このあと 

 



25桂 
12玉 13飛 21玉 23飛成

 

11玉 44角成 まで 7手詰

 



*25桂 に 「24玉」 も

 

33角成 25玉 26飛 14玉

24に馬か 飛車成で 詰みです。

 

 


:44角成までの詰上がり図



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14歩では 上図までで

 

詰んでしまいます。

 

それでは 

 


:反転図初形から 24玉



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反転図から 

 

24玉と 上に逃げてみますが

 

これは詰めろが外れていません

 

この図からも 詰みがあります。

 



下記 符号で表記しましたので

 

駒を動かして

盤上で
並べてください。

 

 




上図から 36桂変化の詰みの研究

 


「24玉」と 逃げた図に対して 


*36桂ですが

 

玉の逃げ方に
 


①15玉
 

②13玉 

③14玉 

④25玉


⑤34玉 

⑥23玉

 


上記の 6通りの逃げ方があります。
 

 

 以下で 全て 見ていきます。

 

 

①36桂 15玉 

 

33角成 16玉 17飛

 

25玉 24馬 36玉 35馬まで 9手詰

 

角のラインが素晴らしく 詰みです。

 



②36桂に 
13玉

 

35角成 12玉 32飛 11玉

 

44馬 21玉 22馬まで 7手

 

*36桂 13玉 35角成に 23玉 も

 

22飛 14玉 24馬までの詰みです。

 


③36桂に 
14玉は 24飛 15玉 26角成まで

 



④36桂に 
25玉 26飛 15玉 33角成 14玉

 

24馬で詰み

 


⑤36桂に 
34玉は 44角右成 25玉 26飛 

 

15玉 42角成 14玉 24馬

 


⑥36桂に
 23玉は 22飛 13玉 24飛成

 

12玉 22角成 まで詰み 

 


6通りに 玉は逃げましたが

上記のように 詰みになります。

 


細かい変化ですが 
細かいからといって

 

ここを 避けてはいけません。

 

面倒くさいと避けては 強くなれません(●´ω`●)


コツコツ 並べていくうちに 身体が ?

だんだんと 覚えてきます。


一気に せずとも

できる時に  少しずつ

ゆっくりでいいのです(^^)




 

今回の問題は
 

序盤もしかり

中盤の変化や 読み筋も細かいのですが

 


こういった終盤の学びは  指し将棋でも

より 勝負に直結すると思いますので

 

是非 全変化へ 挑戦して 並べていきましょう。

 




:反転図 から 

 

24玉 36桂 15玉 33角成 16玉 17飛

 

25玉 24馬 36玉 35馬 まで9手詰 の図


上記の①の手順)


E56D7A81-EDFB-4BDB-AFBF-74841AA9FC4D


というわけで

 

24玉の脱出は

成功しませんでした

 

詰みになってしまいます。

 



では 

他に 詰めろを外す手を考えてみましょう。

 



:14玉

 

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24玉は詰んでしまったのですが

 

この 14玉が良い手です。 


これで詰みません。

 


14玉には 26桂と王手をしますが 

15玉と上がります。

 


53からの 角のラインは

26の地点に桂馬を打ったことにより

遮断されていて

 

玉は 上に 逃げられます。

 



盤上の 2枚の角の利きを

うまく逃れているのが

 

14玉の逃げ方です。

 


飛車でも 王手はできますが 

角の利きがそれていて

 

残り 桂馬1枚では  詰みません。

 


飛車で 王手をかけてみて

ご確認下さい。


*この 14玉の逃げ方を ぜひ憶えてください。

 

 

 


:反転図から 15歩


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もう一つ 詰めろを外した手を観てみます。

 

15歩です。

 


「敵の打ちたいところへ打て」


という 有名な 格言があります。
 

 


15飛とされると詰みでしたので

15の地点
へと 歩を打ってみました。

 


先ほどの 14歩
と受けた図との違いは

 


14に 玉が逃げるスペースが
あることです。

 


15歩 に 25桂と王手されても 

14玉と逃げて 詰みません。

 

 



 

 

今日の勉強は終わりです。

 

ありがとうございました。

 

繰り返して 並べてみて下さい。

 

お強い方は 全部の変化憶えてください。

 


自玉の詰みの 確認も 

いつも通り お願いします。

 

そうして「詰めろ」を 外す手もいろいろあるので

 


やってみて練習しましょう。

 

注:14歩 24玉は 詰まされてしまいます。

 

=詰めろが外れていません。

 


詰めろを 外す手は 

 

14玉 と 15歩 を例に挙げました。


24玉 と 14歩は 詰んでしまうので注意です)


まだ 他にもたくさん あります。 

 


お強い方は ぜひ 全部調べてみてください。

 


また一緒に勉強しましょう。

 









局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より