「詰将棋並べ」
勉強の準備をお願いします(^^)
初めての方は
【ぴよ将棋さん】の盤駒使用方法・使用例
をご参照ください。
ご自宅で盤駒あれば
駒をお手に取って 並べてくださいね。
江戸時代の名作からです。
勉強してみましょう。
渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から。
以前から紹介している作家です。
「江戸慶応」
の時代の詰将棋です。
待宵は
これまでも取り上げてきました。
過去記事 待宵カテゴリはこちら
それぞれの記事で できるだけ詳しく
解説を書いています。
ぜひ 習得してください。
今回は少し 手数が長いです。
しかし
長い手数の割には 難しいところは
あまりなく 実戦的です。
実際の対局でも この問題と
同じ形や手筋が出て来たら
ぜひとも 詰ませてみたいものです。
では
「待宵 第39番」 です。
図:初形
詰め手順:
62銀 81玉 82歩 同玉 73銀不成
93玉 92桂成 同玉 82金 93玉
83金 同玉
84銀成 92玉 83銀 81玉 82歩
71玉 72銀成 同玉
73成銀 61玉 62角成
まで 23手詰
図:詰上がり図
【学習・研究】
図:初形
【詰将棋初心者さん または
終盤の手筋の習得を 苦手に思っている方へ】
みなさんが
詰将棋の問題や終盤図
から 感じること 読みとることは
どんなことでしょう?
王手のかけ方は もちろん考えます。
では
駒が配置されている図で
各駒の配置の意味や形を 考える時
どこを みますか。
そもそも 何を考えていけばよいのでしょうか。
*上図は この問題の 初形図です。
この作品上では
51に配置された角に 注目してみます。
51に配置された角の【利き】が
95の地点まで 通っています。
このラインが重要です。
「このラインで詰みそう」
→このラインを 利用して
王手する駒を うまく使えないだろうか
という感覚は 概ね正しいです。
詰将棋並べや 棋譜並べを
コツコツと続け
手筋や寄せ形 詰み筋を身に付けると
正しい感覚が 養われると思います。
身につくまで憶えるように 取り組んで
実用で
この手筋見た事がある!
と 思えるようになるまで
やってみましょう(^^)
図:初手 62銀
初手は
この角のライン上に沿って 62銀が
一目です。
他は 詰まなそうです。
もし 他の初手で詰むようなら
相当な作品で 難問と思います。
直感を外してくるような作品も
なかにはあって 個人的には
そういう作品は 難問だと感じます。
図:81玉 82歩 同玉 73銀不成
初手の続きです。
5手目で
73の地点へ 角のラインに沿って
73銀不成 と
あえて 成らない のが良い手で
この手が 玉の
上部脱出を防いています。
84の地点へ利かせていますね。
図:失敗図 5手目 73銀成 93玉
利かせている、 とは
どういうことでしょうか。
これは 失敗図です。
もし 73銀成としてしまうと
上図のように 93玉とされて
図:失敗図 92桂成 84玉
その後
桂馬を成って王手しますが
84玉と
上部へ 脱出されてしまいました。
上に逃がすと大変です。
73銀不成なら 84の地点を防いでいました。
玉が上部へ 出られないように あえて
不成 にしたのですね。
*5手目 73銀不成 まで戻ります。
図:5手目73銀不成 93玉
92桂成 94玉
初めに示した手順で
7手目92桂成を取らないで 上へと
脱出を試みる 94玉には
図:84金
84金と打てば詰みです。
図:9手目84金 同銀 同銀成
上図で詰みです。11手。
きれいに 角のラインが通っています。
ここで
* 玉方 95の歩の配置が必要で
もしこの歩がないと
95玉と逃げられて 詰みません。
これが 95歩の配置の意味です。
*実戦でも 端の歩の 位置関係は大事ですね。
本手順に戻りましょう。
*初形から 7手目92桂成まで 進みます。
図:7手目92桂成 同玉 82金
手順通りに進めていきます。
難しいところはあまりありません。
図:9手目82金 93玉 83金
同玉 84銀成
9手目82金から 以下
綺麗に 角のラインが通っています。
玉の逃げ方も最善を尽くしていますが
もう少しで詰みです。
図:82玉 と逃げたら?
13手目84銀成 に 82玉は?
図:82玉 73角成
82玉 これには 73角成があり
73角成 以下は
銀を打つ
成銀で王手すると詰みです。
早詰です。
図:92玉
従って 92玉が最善の玉方の逃げ方です。
図:15手目83銀 81玉 82歩 71玉
妙手はありません。
焦らず 丁寧に追っていきます。
図:19手目72銀成 または72銀不成
71玉で 捕まらないように思えますか?
ここでは次に 72銀成の
捨て駒が好手です。
玉を 72の地点へと 誘導する手です。
捨て駒を取らせて
72へと 来て欲しいのです。
詰将棋では
このような 捨て駒が 好手になります。
長い手数でも 詰めていくのには
このような基本手筋を知ることが
とても大切です。
*ここは72銀成でも 72銀不成でも
どちらでもよく
非限定ですね。
作品的には
厳密にいえば 作品に傷がある といいますが
今回のように
実戦的な 詰手順を学ぶときには
良い作品なので
この 傷があるというだけで 埋もれてしまうのは
もったいないと思います。
とても勉強になる 一連の手順です。
古典には このような作品も ありますが
今後も取り上げて 詳しく手順等 観ていきます。
図:18手目71玉 72銀成 同玉
73成銀 61玉
84成銀が活躍してきます。
73成銀には
61玉とするしかありませんが
最後に 62角成として詰みです。
23手詰でした。
最終手は 62成銀でも詰みです。
*最終手のみ 2種類の手で 詰みがあっても
認められています。最終手余詰。
図:反転図
ここからは いつものように
反転図での
詰みをみていきます。
反転図の作成はできますか?
手前を自玉と思って 詰みを並べて憶えましょう。
詰め手順:
62銀 81玉 82歩 同玉 73銀不成
93玉 92桂成 同玉 82金 93玉
83金 同玉 84銀成 92玉 83銀
81玉 82歩 71玉 72銀成 同玉
73成銀 61玉 62角成
まで 23手詰
ですね。
反転図での詰みの確認が
大事だということは この
「詰将棋並べ」で
ずっと勉強してきました。
こんどは 自玉に詰みがあるので
手番が手前にあるとして
詰めろを 外してみましょう。
反転図 初形に戻してください。
図:82玉
しばしば出てくる 玉の早逃げです。
82玉と 1つ逃げると詰みません。
有効な王手がありません。
持ち駒を使って 詰まないのか
確認してみてくださいね。
この 早逃げを憶えておきましょう。
今日の勉強は終わりです。
ありがとうございました。
手順を憶えるまで 繰り返してみて下さい。
強い方は頭の中で動かして、
全部の変化を憶えてください。
自玉の詰みの 確認も お願いします。
そうして「詰めろ」を 外す手も
いろいろあるので
やってみて練習しましょう。
*例:82玉の早逃げでした。
他にも まだまだ 逃れる手があります。
一例でした。
お強い方は 詰めろを外す手を
いろいろ考えてみてください。
また一緒に勉強しましょう。
*用語に関する過去記事
非限定打・変化同手数→待宵第24番
局面作成
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より