今日の「詰将棋並べ」勉強。準備良いですか?
「詰将棋並べとは?」記事を参照ください。
いつものように
問題図を解こうと 考える必要はありません。
「並べて憶える」
この練習を 繰り返してやっていきます。
何か月後に?出題されても
きちんと詰むようにしましょう。
今回は
「大道棋」の世界を覗いてみます。
香歩問題
持ち駒に 香と歩がある問題です。
作者は一体誰でしょうか。
いつの時期に誰が創ったのか?
解説・学習してみます。
手順などを 並べて憶えてください
*大道棋とは?など
気になる方は Wikipediaさんや
書籍でも色々紹介されていますので
ご検索ください。
TETSUさんのサイト
詰将棋おもちゃ箱さんでは
大道詰将棋のコーナーがあります。
ドキドキストリート(大道詰将棋)
また 詰将棋の専門月刊誌
本誌にも 大道棋は紹介されていますので
是非 合わせてご覧ください。
*詰将棋パラダイスは マイナビさんにて
通販で購入できます。
取扱書店に関しては
詰将棋パラダイスHPのこちらをご覧ください。
将棋ペンクラブさんのブログでも
大道詰将棋の記事があります。
大道詰将棋屋(将棋ペンクラブログ)
今後も ときどき
江戸時代などの詰将棋の名作に加えて
大道詰将棋なども
ご紹介していきます。
★大道棋を勉強の際は
盤駒を出してくださると嬉しいです(^^)
もちろん お強い方は 頭の中の盤でも結構ですが
大道棋では 盤駒が必要になる変化が出てきます。
=かなりの腕前の方でも 難しい問題も多いです。
大道棋は
棋力向上に良いと思います。
問題は お強い人向けかもしれませんが
張り切って楽しく書いていきたいと思います。
いつも通り「詰将棋並べ」の方法で
学んでいきましょう。
解説は 出来るかぎり
丁寧に 書いていきます。
今回は 大道詰将棋でも 優し目の問題です(●´ω`●)
自分は 本物の大道棋屋さんは
観たことがありません。
昔の書籍などを読むに
お客さんとの 軽妙なやり取りがあった
ようですね。
想像で書くしかありませんが・・
さーさーいらっしゃい!でしょうか?
雰囲気だけ やってみます。
至らなければご容赦くださいませ。
香歩問題から
図:初形
詰め手順:
84香 83銀 82歩 91玉 92歩 同銀 81歩成
同銀 同香成 同玉 71歩成 91玉 81と 同玉
72銀 91玉 92歩 同玉 83銀成 81玉 82金
まで 21手詰
*先に 大道棋屋さんの
「手の内の詰手順」を示しました。
いつものように何度も繰り返して 並べて
上記の手順を しっかり憶えてください。
*ところで大道棋は
1番始めに示された
詰め手順以外でも 詰むのでしょうか?
結論でいうとこの大道棋の 攻め方
は、初めに「手の内」で示した
手順以外では 詰みません。
玉方は あれこれ 逃げたりと変化して やってきますが
変化は 早く詰んでしまいます。
図:詰上がり図 82金
簡素な 図ですが なんと
詰みまで 21手 かかるのです。
そうは 見えないと 思うのが 普通ですよね。。
*研究に入る前にもう一点。
「大道棋のルール」
通常の詰将棋の作品と違う点は
1つだけ挙げるとすると
「持ち駒が駒台に余っても 詰めば良い」
今回は これだけ憶えて下さい。
ここでは
大道棋の簡単に詰みそうで 詰まない
やっぱり詰む ・・の中から
詰将棋の 読みの手筋を学んで
手強く なりましょう。
秘手 妙手が出る出る!
詰むまでに
たくさんの要素があって楽しいです。
詰め手順は いつものように
並べてしっかり記憶の中へ(^^)
憶えてくださいね。
縁日などで 大道棋屋さんがいた
時代が 昔々にあったようです。
今後もし街中で現れても
手を出さない方が無難ですね。
珍問 奇問 妙手 奇手 に
翻弄されてしまいます。
升田幸三先生がお若い頃(戦前)に
どんどん解いていったという逸話がありますが
よほどの棋力をお持ちでない限りは
初見で解くのは 難しいです。
繰り返しになりますが
これは 大道棋では 比較的楽な問題です。
手の内(解答)は 先ほど わかりました。
しかし全部の変化等を見てみないと
謎だらけです。
盤駒に 並べてじっくり研究してみましょう。
では 大道棋に挑戦!
\\\\\\٩( 'ω' )و ////
【学習・研究】
図:初手 82歩
あらあら? これはシンプルにいきましたね。
まず 玉の頭に王手! しました・・。
一目 王手してみたい手ですね。
これで詰めば良いのですが。
研究していきましょう。
直接 82歩と した 上図でした。
図:82歩 91玉 94香 92桂合
手順を進めました。
(82歩に 92玉としても 詰みません)
ここで 残る持ち駒は 歩が2枚のみ。
攻め方 戦力不足ですね。
82歩に 91玉と逃げ
94香としても
合駒で桂馬を使われると詰みません。
*ここでの注意は
4手目 玉方の合駒を 金とか銀でしてしまうと
次に同香成 から 83に 金 銀
打たれて 詰んでしまいます。
ですから合駒は 桂馬か香が良いです。
*歩合は 2歩なので(>_<) 注意しましょう。
やっぱり 手ごわいぞ~ 大道棋。。
図:82歩 91玉 94香 92桂合
同香成 同玉
前述の手順で 92玉 まで 進めました。
上図 : 持ち駒が桂馬と歩だけでは
この後 詰みません。
・84桂にも 91玉として 詰みません
・84桂に 93玉でも詰みません。
→盤上でご確認をお願いします。
ということで攻め方の
初手は 82歩 以外の手となります。
《初形図 に 駒を戻してくださいね。》
次に
★初手 83香という手がありますね!
当然?ながら
玉を 92玉 とされると
82香成 93玉 83成香 「94玉」
で これ以上 王手が続かず 詰みません。
あーー! 詰まない。
これも 盤駒でご確認お願いします。
*従って 最初の 詰め手順 の 初手
「84香」
と 玉から 遠く 上から離して
打つのが良さそうです。
次はそこを 研究してみましょう。
図:初手84香 82桂合
84香 82桂合 同香成 まで 3手詰
となってしまいます?
玉の上のマスに付けて
桂馬などの 合駒をすると
3手詰に見えるように
作ってあるところが
ミソです。
*もう一つ 合駒ができるマス。。 ないですか(●´ω`●)?
解く人が初心者さん風なら
ここで 3手詰!としてくれるでしょうか??
こういうところが
初形図が 易しく見える大道棋の技です。
短手数 3手詰くらいかな? に見えるから
解く方も ついつい手を出すのです。
本当は 21手もかかるのに・・(^^)
では 次の挑戦者さんは どうでしょう?
図:初手84香 92玉
3手で詰んだら さすがに大道棋屋さんも
妙手秘手を 披露できません。
今度は 92玉と逃げてみました。
図:84香 92玉 83香成 91玉 82金
あれ?
92玉には 初手から
5手で詰んでしまいました。
よーしこれでは どうでしょう?
と「香の合駒」をしてきました。
図:初手84香 83香合 同香歩成
92玉 94香 93香合
* 初手はわかりました 84香です。
いよいよ 84香 に 「合駒」
が 出てきました。
しかも 中合 です。
前に紹介した中合の受けの手筋です。
中合:玉と攻め駒の間に
玉から間をあけて合駒をすることです。
この合駒 (中合)を
しらみつぶしに 研究していきましょう。
まず 「香合」 の受け から。
初手から
84香 83香合 同香不成 92玉 94香
93合駒(ここでは香にしましたが)
82金 まで 7手 で 詰みです。
上図 82金までで 詰みなんですね。
最後 93への合駒は 香 以外 何でも
82金とすれば詰みです。
2手目に83香合 (香の中合) の 詰みは
短い手数で早く詰むことがわかりました。
では 桂馬はどうでしょう。
図:桂合は?
初手 84香 83桂合
これも 上図以下
82歩 91玉 92歩 同玉 83香成
91玉 81歩成 同玉
82金
で詰みます。
総手数では 11手です。
図:82金まで
上図で詰みですね。
図:初手84香 83金合 は?
次は 金の合駒 を調べていきます。
これも詰みそうですか?
上図以下
・82歩 同金は 同香成で早く詰みです。
・82歩 91玉にも
92歩 同玉 83香成 91玉 92金
でやはり 詰みです。
図:92金までの 詰み上がり図
図:初手84香 83飛合は ?
銀合が正解なので(=手の内を知っています)
飛車合 を 先に調べます
これにも
* 82歩 91玉 92歩 同飛には 81歩成で詰みです
* 82歩 91玉 92歩 同玉には 83香成 91玉
92飛でやはり 早く 詰みですね。
図:92飛まで 詰み上がり図
香 桂 金 飛 の合駒は
手の内で示した詰手数より 随分早く詰みますね。
角の中合 はどうでしょうか?
図:初手84香 83角合
角の中合です。
これも以下 82歩と王手していきましょう。
82歩 91玉 以下
*1:92歩 同玉は 83香成 91玉
81歩成 同玉 82金 まで詰みです
*2:92歩 に 同角 には?
81歩成 同角 82金 で詰みです。
角の中合の 初手から 図でもう一度。
図:角合の研究
初手84香 83角合
82歩 91玉 92歩 同玉 83香成
91玉 81歩成 同玉 82金 まで13手
詰上がり図 は 下図
図:角合 の 研究
もう1つの変化 下図
初手84香 83角合 82歩 91玉 92歩
同角 81歩成 同角 82金 まで9手詰
詰上がり図
上図を よく観ると 81の駒が
角ではなくて 銀なら
最後の 82金を同銀と
取ることができるのです!
92歩の時
銀も斜め後ろに効いていて 92歩を同銀とできて
さらに 81歩成も 同銀と出来るのですね。
謎が だんだん 解けていきましたか。
★最後に
玉方の最善の受けの妙手
中合 83銀 を研究していきましょう。
図:初手 84香に
「83銀合」に 82歩 91玉
92歩 同銀 81歩成 同銀
までが 下図 です
先ほどの 角の中合
→81に角がいた図との違いは
82の地点に銀が効いていて
82金には 同銀とできるところです。
玉方は 最善の頑張りで 逃げます。
よって81の銀を 84の香で取ります
図:9手目 81香成 92玉
81香成としました。
図:81香成に対して
92玉は?
83銀 93玉 94歩 84玉
74金 まで15手
上図は 詰み上がり図です
81成香のとき
同玉と取らないと早く詰みますね。
図:81香成に 同玉 71歩成
81香成 同玉に 焦って 82銀と打つと
92玉で 93歩は
反則の 打ち歩詰です!
従って 71歩成とここを成捨てます。
図:71歩成 91玉 81と
71歩成を 同玉は 72銀で詰んでしまうので
玉方は 頑張って 91玉と逃げます。
*71歩成 に 92玉だと 83銀 93玉
94歩 84玉 74金 で早く詰みます。
図:81と 同玉
上図となりました
ここまで良く つないできました。
もうひと頑張りですね。
ここで 82銀と王手すると
92玉で 93歩が打ち歩詰なのは注意です。
続けましょう。
図:72銀 91玉
72にいた 歩を成り捨てて
なんと 歩が居た そこへ 銀を打つのです。
素晴らしい手順です。
図:91玉 92歩
91玉と がんばりますが
92歩と もう一枚 歩が駒台にありました
92歩 同玉 83銀成 91玉 82金で
なんと 総手数 21手詰
でした。
詰みましたー!!
何度も何度も 並べて憶えてください。
細かい変化 合駒を全部 盤駒で並べて
ご確認ください。
【まとめ】
*84香が 初手 の 最善でした (離して打つ)
*83へ 中合 が必要になります
(中合:以前も勉強した 玉と攻め駒の間に
玉から間をあけて合駒をすることです)
*83への合駒では 全部を調べましたが
銀 が 最善最強の合駒でした。
=92歩に同銀と出来 81歩成に同銀と出来て
しかも
82の地点を守っています
=角の合駒と銀の合駒とで 違う点でした。
今日の勉強はここまでです。
ありがとうございました。
ゆっくり並べて研究してください。
大道棋は 並べてみていかがでしたか?
いつもの反転図は
大道棋では 作りませんでした。
大道棋は 駒が 余っても詰めさえすれば 良く
有段者以上など 強い人が多く勉強している
と自分は 昔聞いて
一時期 だいぶ取り組みました。
強くなったか? は
詰将棋ですから 強くなる一助
と はっきり言えます。
大道棋も 読みの 深さや 妙手などが勉強になりました。
自分の 将棋自体へも 好影響でした。
2012年
第61回 NHK杯決勝
羽生先生対渡辺先生戦で出た
金の合駒 (中合ではありませんが)
は記憶に残る 素晴らしい良い手でした。
羽生先生4連覇を達成した将棋です。
詰むや詰まざるや。攻防 凌ぎ 。
過去記事 待宵第1番【7手詰】も
よろしければご覧下さい。中合の問題です。
また一緒に勉強しましょう。
局面作成:
http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より