今日の「詰将棋並べ」勉強。

 

準備良いですか。

 

【詰将棋並べ】記事はこちら

 

【ぴよ将棋さん】の盤駒使用例記事はこちらです

 

ご自宅盤駒をお持ちの方は

 

じっくり 並べるのが良いですね。

 

反復練習が大切です。

 

 

 

江戸時代の作品から勉強してみましょう。

 

渡瀬荘次郎著 「待宵(まつよい)」から。

 

「江戸慶応」の時代の詰将棋です。

   

*待宵から 何度も 取り上げています。
  

 

待宵で他の作品もご興味ある方は
 


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待宵カテゴリ(リンク)

 


短手数から長い作品まで

解説など (なるべく) 詳しく書いています。

 




 

今日は

 

「待宵 第24番」 です。

 

 

図:初形:この図を作成しましょう。

 

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あれれ?

なんだか  いつもと違いますか?


駒を並べる際  よーーく見てください。

玉が  攻め方の陣地(手前から三段目までの内)に

入っていますね。


相手方の陣地

(平手の初形で 駒が並べてあるところ)に

もう一方の玉が 入ることを 入玉する

といいます。

これは  【入玉形】の詰将棋です(^^)

 
*厳密にはこの時点では

詰めろがかけられていますので

入玉の確定  はしていません。

→王手されて 追われて 

お相手の陣地から 玉が 出てしまう可能性が

まだある状態だ ということです。


ここから詰ます 詰まされる可能性もある局面です。



参考リンク:将棋のルールに関するご質問

(日本将棋連盟ホームページ)

上記リンク内の

【持将棋の規定はどうなっていますか。】

を参照ください。
 

プロの実戦では こういうルールもあると

覚えておくといいですね。

 



 

詰手順:

 

19銀 同玉 16龍 同歩 73角 18玉 28角成

 

まで 7手詰

 

いつものように 並べて 繰り返して

 

詰ませて 戻して 詰ませて戻して 

 

憶えてください。


慣れてきたら 今度は 

 

 

初形の作図にも 挑戦してくださいね。

 

思い出して 盤上に再現できれば

バッチリです(^^)

 

 

図:詰上がり図

 
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【学習・研究】

 

テーマ:

 

1:限定打非限定打について

 

2:迂回:遠回りして詰ます手順について

 

 

では ここからは少しずつ進めていきます。

 

 

図:初手から 19銀 17玉

 


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初手の 19銀を 取らずに 17玉には

 

 

 

図:28金

 


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28金 までの 1手で詰みです

 

同じようでも

 

28銀では?

 

初手から 

19銀 17玉 
28銀 18玉 29角

(27角でも)

 

まで 5手  

 

初めに示した7手詰より

短手数なので(早詰み)

 

玉方の逃げ方が 上手くなかったということです。

 

従って 初手の 19銀には

 

玉方は 同玉が最善 です。

 

図:16龍


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19同玉

 

16龍!

 

これが本日 一番の 素晴らしい手ですね。

 

18に 合駒しても 28角で 詰みです。

 

 

 

図:16同歩 73角

 

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ここで さらに次の 良い手がでます 


73角。遠くから打ちます。

 

 

16龍と捨てたのは この角があったからでした。

角のラインが遠くから 通り

王手ができました。 

 

ここから打って 馬に成ることで

玉を仕留めようとしていますね。

*この角の使い方は 寄せの手筋の問題などで

しばしば  出てきます。

覚えておきましょう。 

 

 

図:82角

 

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*この角は

図で示した82角でも または 91角と打っても 

28の地点へと

 

成り返って 馬で

最後に仕留められます。

盤面をよく見て もう一度確認。 

 


73角

 

82角

 

91角


この3か所の
 
どこに角を打っても 次に

28角成として

詰ませることができますね。

 

上記のどこに打ってもいいのです。 

 


打つところが一つに限定されていませんので

 

これを非限定(ひげんてい) 

と言います。

 

 
では 逆に

【限定打】になる場合も

ここで見ておきましょうか。
 

 

参考図:初形で 81歩が配置されている図

 


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初形に 81歩 

を 配置してみました。


ここから 先ほどと同じく 初手から

19銀 同玉 16龍 同歩  まですすめます。

次に角を打ちますが
 


・82角には 同歩

 

・91角には 82に 合駒を打てば

両方とも詰みませんね。


これで 73角が 限定打になりました。

 

*成って 馬になれるのは 73角のみ。

駒を動かして ご確認くださいね。


81の歩は 自分が置いたものです。

 

なぜ?この作者は 

この歩を置かずに

 

非限定で良い とした 

初形配置だったのでしょうか。

 

これは 作者に聞かないとわかりませんね。

 


この 限定打とするためだけの 

81歩の配置は

 

なんだか 無粋と思うのが

作家の精神かもしれません。

 

初期局面は なるべく駒の数が少ない 

無駄が排除された

 

図式が良いとか・・

色々 お考えあっての 作図なのでしょうね。 

 

 

自分達は とにかく詰ますことに

全力投球しましょう。

 

 

作家  作者の嗜好や機微に触れるのも 

一興です
か。

 

 

実戦では 詰ませば勝ちなので 

詰みの 学習に集中しましょう(^^)

 


 


 

図:途中 28金としてしまった図

 

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最後は 28角成で詰みでしたが

 

28金としてしまいました。

 

これでも 実は詰みがあります。

 

攻め方の別の手順で詰みがあることを 

余詰というのでしたね。

 

さて この場合はどうでしょうか?

 

 

 

図:28金 19玉 27金

 

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27金と開き王手しました。

 

 

図:29玉 28角成 

 

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28角成までで詰みました。

 

攻め方が28金と手を変えて詰んだのですが

 

結局のところ 最終手が

同じ28角成で詰みですから

 

これを

 

迂回手順といいます。

 

意図的に回り道して 迂回して 


わざわざ 長い手順で詰ませたのです。

 

迂回手順は

問題の解答としては無効となりますが

詰将棋用語は いまはあまり気にせずに 

 

ここではこんな手順でも

詰むとして 憶えておきましょう。

 



 

詰将棋の問題において

解答を求められた際には

いま学習した

28金 19玉 27金 ~28角成

 

の迂回してきて角が成る手順は書かないで

 

単に 28角成 一発で仕留めた

一番初めの 7手詰の手順

 

を書いて提出しましょう。


最短で 詰めた  とします。


最終手  28角成  の一手前  


*玉方  18玉 でも 29玉でも 正解です。


次 28角成までです。


変化同手数駒余らず  


以前の記事で記載しましたが


この最後  2手 の変同(=変化同手数)

は 認められています。


スルーしてくださって構いません。


*この変同は どちらを書いても正解です。




 

 

図:反転図

 

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いつものように 初形を反転した図です。

 

自玉に詰みがあるかを

常に確認する練習をしておきましょう。

 

実戦の終盤で 必ず役立ちます。

 

反復練習を コツコツ することで

苦手意識は徐々に 克服することができます。

 



もう少しでこの反転図の玉

=ここでは自玉とします。

 

は 入玉できそうですね。



まだ詰めろがかかっているので確定していません。




詰みましたか?

 

19銀 同玉 16龍 同歩 73角 18玉 28角成

 

まで 7手詰です。

 

 

それでは この自玉の詰めろを外しましょう

 

いつものように 反転図初形から

詰めろを外した手を示してみます。

 

図:28馬

 

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19に居た 馬で 銀を取り去りました。

 

これで 同金には 同玉で 詰みません。

 

詰めろが外れました。

 

これで 豊富な駒もあるし 


入玉が確定しますね。


相手玉にも迫れます。

 

 

 

【余談】

 

ところで 初形のことですが

 

46に配置してある駒は 何故 

龍なのでしょうか?

 

飛車でも同じ手順ですね。

 

これも作者に聞いてみないと解らないですか。





 

 

今日の勉強は終わりです。

 

ありがとうございました。

 

手順を憶えるまで 繰り返してみて下さい。

 

強い人は頭の中で動かして、全部の変化を憶えてください。

 

自玉の詰みの 確認も いつも通り お願いします。

 

そうして「詰めろ」を 外す手もいろいろあるので

 

やってみて 終盤の訓練と思って 練習しましょう。

 

*例: 「28馬」でした 

    

 

その他 この詰めろは 

まだまだ 逃れる手があ
ります

 

強い方は いろいろ調べて

研究してみてください。

 

また一緒に勉強しましょう。

 

局面作成

 

http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html 様より